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QBロジャースの“ウィッシュリスト”というのはおかしな表現だと主張するジェッツHCサラー

2023年05月08日(月) 13:54

ニューヨーク・ジェッツのロバート・サラーHC【Aaron M. Sprecher via AP】

どのチームであろうと、スーパースターに命運をかけた場合、そのスターが望むものはすべて勝利という夢を叶えるためのものだと思いたくなるものだ。

それゆえ、ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーからすれば、チームがクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースの昔のチームメイトを獲得することは決して奇抜な発想ではない。

サラーHCにとってこれはウィッシュリストではなく、単にチーム内で親しみやすさと相性の良さを育てるための実践的なアプローチのようだ。

「できる限り敬意をもって言いたいと思っている。私は誰も攻撃するつもりはない」とサラーHCは現地5日(金)に記者団に対して切り出し、こう続けた。

「ウィッシュリストというのはおかしな表現だと思っている。というのも、NFLには32チームあって、新しいコーチングスタッフが加わるなど、何か変化があった時にこれは一般的な方法だからだ。新しいメンバーが加われば、彼らの周りに慣れ親しんだ人たちを配置する。私にだってそのようなウィッシュリストはあった。ディフェンシブエンド(DE)ソロモン・トーマス、ラインバッカー(LB)マーセル・ハリス、コーナーバック(CB)D.J.リード、ミドルラインバッカー(MLB)クワン・アレキサンダー。彼らとはそれまでにも一緒に仕事をし、われわれのメッセージやスキームに精通していて、加わってからすぐにプレーできる選手たちだった」

ジェッツには、ロジャースのグリーンベイ・パッカーズの元チームメイトであるQBティム・ボイル、ワイドレシーバー(WR)のアレン・ラザードとランドール・コブ、オフェンシブタックル(OT)のビリー・ターナーという4人の選手がいる。そしてもちろん、攻撃コーディネーター(OC)のナサニエル・ハケットも。ロジャースのいわゆるウィッシュリストは3月に『ESPN』が最初に報じているが、将来の殿堂入りクオーターバックはそれを軽くあしらっていた。ところが、ロジャースが自宅でジェッツと会ったときに、彼はチームの上層部に理想のチームメイトの一部についての意見を伝えている。

サラーHCが指摘するように、どのような形で報じられようが、ヘッドコーチやスーパースターQBが慣れ親しんだ人材を迎え入れようとするのは目新しい概念ではない。

「タンパベイ・バッカニアーズに移籍したトム・ブレイディはタイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーとWRアントニオ・ブラウンを連れてきたじゃないか」とサラーHCは述べている。

「だから、新しいチームで昔のチームメイトを求めることは珍しいことではない。それが新しいプログラムへの移行を加速させてくれる。それに、クオーターバックやロジャースに限ったことでもない。ハケットだって同じだ。彼はラザードやランドールのことが大好きだ。ビリー・ターナーをデンバー・ブロンコスに呼び寄せて、今度はグリーンベイに連れてきた。だから、当然コーチの周りは彼が信頼している選手で固めるものだ。つまり、周りがクオーターバックに押しつけようとしているその表現自体が使い古されたもので、NFLではよくあることなんだ」

よくあることとまでは言い難いが、決して今に始まったことではない。また、このような注目のされ方はロジャースがコントロールできるようなものでもなく、彼や新旧のチームメイトにとっては逃れられないものと言えよう。

【R】