NFL復帰の可能性について言及したQBマット・ライアン、「どんな扉も閉ざさないということを学んだ」
2023年05月19日(金) 11:22『CBS』に参加するにあたって、かつてNFLでMVPを獲得したことのあるクオーターバック(QB)マット・ライアンは引退するつもりはないと明言し、復帰する可能性を残した。
現地17日(水)、ライアンは『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』で、NFLの予測不可能性――例えば、先発クオーターバックが負傷した場合など――を考慮すると、復帰の可能性を残しておくことは最も理にかなっていると語った。
何が復帰のきっかけになると思うかと質問されたライアンは「分からない」と答え、こう続けている。「この状況ではすべての星がそろわないといけない。15年にわたってプレーしてきた経験の中で、どんな扉も閉ざさないということを学んだ。背景にはそういう意思がある。次のステップに進み、前進することを楽しみにしているけど、それと同時に、このリーグでは何が起こるか分からないものだ。どんなことでも起こりうるから、何が起こるか見ていこう」
アトランタ・ファルコンズに14シーズン所属していたライアンは、その間にプロボウルに4回、オールプロに1回選出された。また、2016年にはNFLのMVPに輝いている。2022年にインディアナポリス・コルツに移籍してからは、2人のコーチからそれぞれベンチに下げられるなど、12試合を通して苦戦を強いられている。そして、これまでで最も少ないタッチダウンパス数(14回)を含め、キャリアで最低レベルの成績を残した。
ライアンは2022年シーズン――多くのサックとファンブルを喫し、低迷していたオフェンシブラインの後ろで制限を受けていたオフェンスの中で爆発的なプレーをほとんど生み出せなかった――に急激な落ち込みを経験したように見受けられる。元QBトム・ブレイディは跳ね飛ばしたものの、ベテランクオーターバックがそうした状態に陥るのは予想可能なことだと言えよう。
当然、経験豊富なベテラン選手であるライアンは、コルツが彼をカットした後も支払うことになっている1,200万ドル(約16億6,247万円)の保証金を確実に得るために、復帰の可能性を残しておかなければならない。今オフシーズンにライアンが正式に引退すれば、理論上、コルツはデトロイト・ライオンズがかつてカルビン・ジョンソンに対して行ったように、ライアンのお金の一部を取り返すことができる。オーナーのジム・アーセイがそのような動きに出るとは限らないが、ライアンが引退しなければその判断を下す必要すらなくなる。
ライアンはレギュラーシーズン終了後にCBSで経験したことが、新しい仕事につながったとつけ加えた。
「シーズン終了後に“NFL Today (NFL・トゥデイ)”のクルーと一緒にスタジオに上がる機会があって、とても楽しくやらせてもらった。本当にね。番組前にも、番組中にも話して、彼らとの出演を楽しんでいた。そういう面を本当に満喫していた」
「次のシーズンに向けて与えてもらった機会――スタジオに入り、仕事をすることで、この仕事がどのように行われているかを感じ取り、そこにいる多くのプロフェッショナルから学ぶこと――は自分にフィットしそうだし、ワクワクしている。先のことは誰にも分からない。俺はすべての扉を開いたままにしようとしてきた。このリーグがクレイジーなことは周知の事実だし、シーズン中に起こりうることはたくさんある。だから、CBSに所属できることも、この秋にいくつかこの仕事に取り組むことも、本当に楽しみだ」
シリウスXM NFLラジオでの質問に対して59秒で回答したライアンに、放送時のコツを1つ教えておこう。テレビでは、簡潔さがあなたの友人になる。
【RA】