チーフスQBマホームズと共に取り組んだワークアウト後に“飛躍的な成長”を遂げた49ersのQBランス
2023年05月22日(月) 12:03サンフランシスコ・49ersにおけるクオーターバック(QB)の状況は今夏のトレーニングキャンプで注目を集める話題の1つとなりそうだ。今オフシーズン、49ersのQBトレイ・ランスは先発の座を奪還する準備をするために必要なことをしている。
ランスがオフシーズンに行っている取り組みには、カンザスシティ・チーフスのQBパトリック・マホームズといった選手も依頼するプライベートQBコーチ、ジェフ・クリステンセンの採用も含まれている。今週、クリステンセンは『The Athletic(ジ・アスレチック)』のマット・バロウズに、マホームズが取り組む様子を見ていたランスが飛躍的な進歩を遂げる瞬間があったと明かした。
「私は“これを見なさい。彼がここで何をするかを見るんだ”と言った」と述べたクリステンセンはこう続けている。「彼には、これまであまりやってこなかったことをやりなさいといったことを伝えた。その後、彼はパトリックがそれを完ぺきに実践しているところを見た。そして、視覚的な納得感、メンタル的な納得感を得られたことで。彼はメンタル面のハードルを越えることができたのだと思う」
「彼がそこからより良くなり続けていったのは称賛に値する。7日間で、毎日のように飛躍的な成長が見られた」
キャリア3年目を迎えるランスは不安定な状況に置かれている。かつてドラフト全体3位指名を受けたランスは、初めて先発として迎えた昨シーズンの第2週に足を骨折して戦線離脱。2022年のミスター・イレレバント(ドラフト最下位指名選手)だったブロック・パーディーがチームをNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに導くなど、リリーフとして大活躍している姿を、ランスは外から眺めることになった。
深刻な肘のケガに見舞われたパーディーは今オフシーズンにまだ投球を行えていないにもかかわらず、2023年も先発の座を維持すると見られている。足首を治すために受けた2度の手術から完全に回復したランスは、チャンスの到来に備え、外部の雑音は一切遮断しているようだ。
今オフシーズン、ランスが重視しているのは投球動作の改善であり、これまでに出場した8試合で記録した54.9%という低いパス成功率を向上させるためにそれに取り組んできた。ランスの学習意欲と向上心は、これまで200人近く、カレッジやNFLのクオーターバックを指導してきたクリステンセンに感銘を与えている。引っ張りだこの人気コーチはランスが競争心や態度の面でマホームズを思い起こさせると語り、だからこそ彼らにいくつかのセッションを共に取り組んでもらいたかったのだと話している。
「彼はすぐに馴染んだ」とクリステンセンは明かした。「パットは彼を高く買っている。彼は本当に良い人で、誠実な人だ。偉大な選手になりたいと思っている。そして、その言葉と行動が一致する数少ない若者の1人だ。彼は行動で示す。毎日、取り組んで学びたいと思っている。だからこそ、私は彼に教えているのだ」
49ersが今週からOTA(チーム合同練習)を開始することになっている中、ランスはパーディーが回復を目指している間に主導権を握ると推測されている。今オフシーズンにチームに加わり、QBポジションに大きな厚みをもたらすと見込まれているサム・ダーノルドは、ランスに競争的な環境を提供するはずだ。この2人の競争もトレーニングキャンプ中に話題となるかもしれない。
49ersのヘッドコーチ(HC)に就任してから7年目を迎えるカイル・シャナハンが今年も充実したオフェンスの準備を進める中、クリステンセンは機会が与えられた場合に能力を開花させるために必要なものをランスが持っていると確信している。
クリステンセンはランスについて「彼のプレーコールと、あの子の長所と能力があれば、彼は信じられないほど素晴らしくなれると思う」と強調した。
【RA】