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NFLがスポーツ医学における多様性を促進するプログラムをリーグ全体に拡大すると発表

2023年05月23日(火) 14:44


NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

現地22日(月)、NFLがNFL医師会(NFLPS)およびプロフットボールアスレチックトレーナー協会(PFATS)と共に、医学生にNFLクラブの医療スタッフとの臨床研修を受ける機会を提供する、NFLスポーツ医学多様性パイプラインプログラムをリーグ全体に拡大すると発表。今年で2年目を迎えるこの取り組みは、スポーツ医学の分野でキャリアを積むことに興味を持っている学生のパイプラインを増やし、多様化することで、医療分野に良い影響を与え、将来的にNFLクラブの医療スタッフの多様化につなげることを目的としている。

スポーツ医学プライマリ・ケアおよび整形外科に関心のある医学生がNFLクラブで1カ月間の臨床研修を受けるために選抜された。これにより、学生にはリーグ全体の選手に世界トップレベルのケアを提供するクラブの医療スタッフから学び、彼らと直接仕事をする貴重な機会が提供される。昨年の第1期生は、歴史的黒人大学(HBCU)医学部4校から14名が選ばれ、NFLの8つのクラブで研修を受けた。2023年のプログラムでは、19の医学部から集まった多様な学生が、リーグ内のNFLクラブに派遣される予定だ。

スポーツ医学に特化した医師を目指す学生を含め、研修を受けている多様な医学生は歴史的に見ても少ない。米国医科大学協会によると、多様な学生の入学者数は増加しているとのこと。2022年から2023年度には、“黒人あるいはアフリカ系アメリカ人の入学者が9%増加”し、“ヒスパニック、ラティーノ、あるいはスペイン系の入学者が4%増加”した一方で、“アメリカンインディアンあるいはアラスカ先住民の入学者は9%減少”している。NFLのスポーツ医学多様性パイプラインプログラムはスポーツ医学に興味を持つより多くの学生にその分野に触れる機会を提供するために拡大している。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは「私たちのリーグでは、すべての役割において多様な人材が集まるように取り組むことが最重要課題となっている。このプログラムは多様なスポーツ医学専門家のパイプラインを拡大し、強化するための具体的なインパクトを生み出すのに役立つだろう。私たちは多様性があらゆるレベルで自分たちを強くすることを知っている。そして、2023年組をリーグ中のクラブの選手ケアチームに迎えることを楽しみにしている」と述べた。

NFL、NFLPS、PFATSは健康の公平性と全米のアスリートの転帰の改善に貢献するべく、スポーツ医学における多様性を高めるための活動を継続することを約束している。

プログラムが発展し続けている中で、リーグはこれからの数年間でパイプラインプログラムをさらに拡大し、医師助手、公認アスレチックトレーナー、理学療法士、作業療法士、栄養士、行動医学の臨床医など、NFLの選手ケアを担当する“チームを支えるチーム”における他の分野も含めることを目標としている。

スポーツ医学多様性パイプラインプログラムは、リーグ事務局およびNFLクラブのスタッフやリーダーがアメリカの人種や性別を反映したものとなるようにするための、リーグの広範な取り組みの一部だ。NFLクラブのメディカルスタッフの間で、この取り組みはあらゆる役割のポジションが空いたときに多様な医療スタッフを募集・採用し、NFLの医療委員会全体の多様性を高めるという既存の取り組みに基づいている。

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