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3月には“100%”の状態になっていた49ersのQBランス、「素晴らしいオフシーズンだった」

2023年05月29日(月) 11:12


サンフランシスコ・49ersのトレイ・ランス【AP Photo/Darryl Webb】

各クラブがOTA(チーム合同練習)を開始したことでオフシーズンの活動は本格化しており、夏にはトレーニングキャンプも待ち受けている。しかし、あるチームとそのクオーターバック(QB)ポジションに関しては現在も多くの憶測が飛び交っている状態だ。

サンフランシスコ・49ersはQBポジションの運に恵まれておらず、特に2022年シーズンには次から次へと災難に見舞われている。

49ersはQBトレイ・ランスを先発に据えてシーズン開幕を迎えたものの、シーズン第2週に行われたシアトル・シーホークス戦でランスが足首を骨折するという不運な展開となった。また、ランスはルーキーイヤーにあたる2021年のプレシーズン中に見舞われ、投げ方を変えることを余儀なくされた投球側の人差し指のケガを抱えた状態でもあった。

負傷後、ランスは足首のリハビリに明け暮れていたが、プレーオフで彼が49ersに貢献することができるのだろうかと疑問に思っていた人たちをよそに、シーズン終了後までランスの調子が良くなることはなかった。

チーム公式サイトによると、ランスは「たぶん、3月の終わり頃に向けて100%の状態になっていたと思う」と明かしたという。「指に関してはこのリハビリのプロセス全体を通して過去のものになったんじゃないかな。ルーキーイヤーの後、オフシーズンの後、そのレベルにかなり近いところまで来たような気がする」

昨シーズン第2週にランスが負傷した後、49ersはチームに5年間在籍していたQBジミー・ガロポロを先発に据えた。シーズンが進むにつれ、これ以上事態が深刻になるとは誰も予想していなかったが、ガロポロはシーズン第13週に足を骨折している。

その時点で49ersは8勝4敗と盤石だったが、残された選択肢がほとんどない中でチームは2022年NFLドラフトのミスター・イレレバント(ドラフト最下位指名選手)であるブロック・パーディーに先発を任せることになった。奇跡的に大きな貢献を果たしたパーディーは、チームをNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームにまで導いたが、その後、彼も内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい/UCL)を断裂してシーズン終了となっている。

そうした中で、今オフシーズンはパーディーだけではなく、先発の座を取り戻すことを狙っているランスも回復を目指してきた。かつてドラフト全体3位指名を受けたランスは完全復活を遂げ、原点回帰するために今の時間を使っているようだ。

「ついにフットボールを再開して、みんなと一緒に過ごす時間を取り戻せただけで、俺にとっては素晴らしいオフシーズンだった」とランスは振り返った。

ランスはオフシーズン中にカンザスシティ・チーフスのQBパトリック・マホームズと共にワークアウトに取り組んでもいる。そこで、プレシーズンに繰り広げることになると想定されているポジション争いに備えてできる限り多くのことを吸収したランスは、こうコメントした。

「ものすごくたくさん学んだ。正しいことに集中することができた。パトリックと一緒にいることができたのは最高だった。彼の知恵を借りて、彼がどんなタイプの人なのかや、フリータイムやオフシーズンの過ごし方、それからシーズン中のスケジュールなんかも知ることができた」

49ersは現在、2023年シーズンに向けてランス、パーディー、サム・ダーノルドの3人をロースターに抱えている状態だ。つまり、先発の座を手に入れるために自分の実力を証明しなければならないランスにとって、プレシーズンは他の試合と同じように重要な意味を持つことになるだろう。

【RA】