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バイキングスがRBダルビン・クックを正式に放出

2023年06月10日(土) 09:52

ミネソタ・バイキングスのダルビン・クック【AP Photo/Rick Scuteri】

ダルビン・クックが正式に新天地探しの自由を得た。

現地9日(金)、ミネソタ・バイキングスは6シーズンを共に過ごしたランニングバック(RB)クックを放出したと発表。

ヘッドコーチ(HC)のケビン・オコンネルはチームの公式サイトを通じて「私はダルビンを最も高く評価しており、フィールド内外で貢献してくれたことに感謝している。彼はタフでダイナミックな選手であり、チームメイトから尊敬されるリーダーであり、それはチームキャプテンを複数シーズン務めたことからも明らかだ。2022年アート・ルーニー・スポーツマンシップ賞の最終候補になり、彼の試合へのアプローチとスポーツマンシップへの取り組みは、リーグ全体で明らかに尊敬されている。われわれはダルビンのポジティブさ、エネルギー、リーダーシップを高く評価し、今後も彼を応援していくつもりだ」とコメントした。

クックの離脱が迫っていることは、木曜日に『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが第一報を伝えている。チームは4度のプロボウル選出という経歴を誇るクックを失う前に、最適なトレード相手を見つけるために最後の1日を過ごしたが、結局、トレードは実現しなかった。

バイキングスはすでにワイドレシーバー(WR)のアダム・シーレンを放出し、パスラッシャー、ザダリウス・スミスもトレードしたことで、ベテランの多くの選手を放出するオフシーズンを送っている。6月1日以降にクックを放出することで、チームは今シーズン900万ドル(約12億5,464万円)、来シーズン1,250万ドル(約17億4,256万円)のキャップスペースを節約し、次の2シーズンはそれぞれ510万ドル(約7億1,096万円)と310万ドル(約4億3,215万円)のデッドマネーを抱えることになる。

ランニングバックの評価が下がっているとはいえ、28歳で新シーズンを迎えるクックには複数のチームが興味を持つだろう。これまで5,993ヤード、タッチダウン47回を記録し、昨シーズンは自身歴代2位となる1,173ヤードを記録し、衰えを感じさせない。

ランニングバックの補強を必要とするチームや、クックのような才能ある選手に助けられることで優勝への道のりが開けると思われるチームのコーチには、すでに獲得のうわさが浮上している。

ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチであるロバート・サラーは、金曜日にクック獲得の可能性について質問され、ゼネラルマネジャー(GM)のジョー・ダグラスに委ねたものの、その考えを否定することはなかった。

サラーは記者陣に対し、「確かに、われわれはその件に関して手を尽くすだろう。でも、それはやはりジョーの扱う問題だ。そのあたりのお金の流れはよくわからないね」と語った。

ジェッツは4月にグリーンベイ・パッカーズからアーロン・ロジャースを獲得し、スーパーボウル制覇の候補に躍り出た。もし、クックと昨年の全体36位指名のブリース・ホールをペアにすることがあれば、この2人はすぐにリーグ最高のデュオを形成することになる。また、クックを獲得すれば、ジェッツはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂のため期待されたルーキーシーズンを棒に振ったホールの回復を、より容易にすることができるだろう。

ジェッツのAFC(アメリカン・フットボール・リーグ)東地区のライバル、マイアミ・ドルフィンズもまた、競争が激化する地区で争うために準備を進めている。しかしながら、ドルフィンズのヘッドコーチであるマイク・マクダニエルは8日、チームがクックを獲得してランニングバック陣を強化するのではないかと聞かれ、冗談ながらにこう返している。

「1983年3月3日、私が生まれた日だな。よくよく考えてみれば、その日は昨日というわけではない。つまりだ、背が高いだの低いだの、そういううわさは出回るものだし、その人になれるわけではない。私は2年目だぞ。何にワクワクしているかってベテランのミニキャンプ3日目について話すこと。それに、うちには成長の可能性を持った選手が多くいる。回答はこれで十分かな?」

マクダニエルはさらに、チームはすでにこのポジションで「本当にクールなグループ」を作り上げていると述べた。

4月のドラフト3巡目でデボン・エイチェーンを指名したことで、クックのマイアミ行きのうわさはやや弱まったかもしれないが、クックがマイアミセントラル高校、そしてフロリダ州立大学の出身であるため、故郷のチームであるという魅力は残っている。

クックはNFLのキャリアで初めて移籍市場に出て、多くの着地点が見えてくるはずだ。各チームのコーチは質問され続け、彼が新しい契約にサインするまで、全体像が少しずつ明らかになってくるだろう。

【AK】