2023年シーズンに向けて復調の兆しを感じているレイブンズOTスタンリー
2023年06月15日(木) 13:10ボルティモア・レイブンズのオフェンシブタックル(OT)ロニー・スタンリーは2020年シーズン後半から足首の問題に悩まされてきた。オールプロに選出された経歴を持つスタンリーは負傷して以来、初めて健康を取り戻したと実感しているようだ。
現地14日(水)、厄介な足首に悩まされた過去と現在の状態について語ったスタンリーは、「2020年の前のシーズンにあたる2019年シーズンと同じくらい調子が良い」と報道陣に話している。
レイブンズのミニキャンプの場で「この数年、ほとんどの時間をリハビリに費やしてきた」と説明したスタンリーは「オフシーズンの80%、トレーニングの20%はそうだった。今はトレーニングや体力増強、持久力の向上、そして全体的に優れたアスリートになることに、ほとんどの時間を割けるようになった。それは俺にとって大きな変化だった」と続けた。
スタンリーは2020年10月にレイブンズと5年9,875万ドル(約139億2,247万円)の契約延長にサイン。その2日後、シーズン終了の足首のケガに見舞われ、この2年間の大半でそれに苦しめられてきた。
2021年シーズンに間に合うように懸命に努力したスタンリーだったが、パフォーマンスを十分に発揮できないことが明らかになり、わずか1試合――シーズン初戦のラスベガス・レイダース戦――の出場にとどまっている。2022年は完全復活を遂げると予想されていたものの、再び足首の不調に見舞われ、最初の1カ月とその後の2試合で欠場を余儀なくされた。
足首の問題は成績に影響を及ぼし、スタンリーは『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』のブロッキンググレードで69.4とキャリアで最低の数字をマーク(2021年に出場した1試合でのグレードは除く)。
スタンリーのケガの影響はレイブンズのロースターにも波及している。2020年、スタンリーの欠場により、レイブンズはライトタックル(RT)だったオーランド・ブラウンを左サイドに移し、ブラウンはキャリアで2度目となるプロボウル選出を果たした。その後、スタンリーが先発レフトタックル(LT)ポジションに戻ることになったとき、ブラウンは右サイドに戻ることを拒否。それを受け、チームは2021年にブラウンをカンザスシティ・チーフスにトレードしている。また、2021年にスタンリーがプレーできなくなった際には、ベテラン選手のアレハンドロ・ビラヌエバにLTポジションを任せることを余儀なくされた。
その後、さらに2回プロボウルに選出されたブラウンは、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区のライバルであるシンシナティ・ベンガルズと4年6,400万ドル(約90億2,317万円)の契約を締結している。一方のスタンリーは、完全復活に向けて長くもどかしい道のりを歩んできた。
その旅をようやく終えた気がしているスタンリーはこう話している。
「昨シーズンの経験をもとに、より良くなることができている。この数年と比べて本当に大きな違いを感じている」
今季、スタンリーがオールプロに選出された当時の姿を取り戻すことができれば、レイブンズは当然、歓喜するはずだ。新攻撃コーディネーター(OC)トッド・モンケンがレイブンズ攻撃陣の改革を担当している中で、スタンリーの関与は極めて重要になるだろう。
【RA】