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今季にレシーバーとしての役割も担えるよう準備を進めるセインツTEヒル

2023年06月19日(月) 11:52


ニューオーリンズ・セインツのテイサム・ヒル【AP Photo/Matt York】

ニューオーリンズ・セインツの万能選手であるタイトエンド(TE)テイサム・ヒルは、これからも必要とされる場所での役割を果たし続ける見込みであり、チームのオフシーズンプログラム中も複数のポジションで練習している。

セインツでキャリアを開始して以来、ヒルはクオーターバック(QB)、ワイドレシーバー(WR)、タイトエンドとしてプレーしてきただけではなく、効果的なレッドゾーンのラッシャーや、キックリターナーとしても活躍してきた。ヒルはオフェンスのあちこちで、どのような火の粉が飛んできてもそれを振り払うのに貢献する存在となっている。ある人にとっては、あまりにも難しい挑戦となるかもしれない。しかしヒルは、自分のレパートリーを増やすことを楽しんでいるようだ。

現地15日(木)、ヒルは参加必須のミニキャンプにおける最後の練習を終えた後に「楽しかった。コーチと話し合いとかをすることもあるけど、俺は練習に参加して、どんなことにも対応できるように準備をしておこうっていう感じ。でも、それが良いんだ」と報道陣に話している。

「俺たちは“今シーズンにやってほしいと望むことを現実的に考えて、そのための時間とレップスを確保しようぜ”っていう感じで、妥協点というか、ちょうどいいバランスを見つけようとしているんだと思う。その点で、この3日間は本当に素晴らしかったと思っている。自分とスタッフのコミュニケーションも、その内容も、本当に良いものだった」

2021年シーズンにセインツでクオーターバックとして12試合に出場(9試合に先発出場)したヒルは、978パスヤード、タッチダウンパス4回、インターセプト5回、374ランヤード、タッチダウンラン5回をマークしている。2022年には、タイトエンドとして16試合に出場(8試合に先発出場)し、レシーブ9回で77ヤード、タッチダウン2回を記録。それと同時に、ランではキャリアハイとなる575ヤードを稼いで7回のタッチダウンを決めた。また、ボールを投げることも求められたヒルは240パスヤード、タッチダウンパス2回も追加している。

2023年にはデレック・カーがQB1となり、ジェイミス・ウィンストンがそのバックアップになる予定であるため、ヒルが司令塔としてより多くの出場機会を得る可能性は低いだろう。とはいえ、オープンマインドを持って練習に取り組む32歳のヒルにとって、それは心配の種ではない。今年の練習では投球やラッシングよりもキャッチをすることの方が多かったと認めているヒルは、次のようにコメントしている。

「どっちかって言うとレシーバーとしてやっているんじゃないかな。それはこれまであまりやってこなかったことだ。クオーターバックとして投げたり、走ったりすることは、ずっと前からやってきたことだし、自分にとってはたやすいことだ。ルートを走ったり、ボールをキャッチしたりするのは自分に馴染みのないことだし、これまでたくさんやってきたわけじゃないから、そこには自分たちがまだ見てこなかった機会があると思っている」

「だから、次のシーズンを見据えたときに、望まれ、期待されるのは、それが少し広がることだと思う。俺がいろんな状況に置かれるのは良いことだと思っている。自分にはそれができるし、“もし自分にボールを投げるなら”って考えて、自分が投げるときにレシーバーにやってもらいたいことを実行するだけさ。そういう視点を持つことは自分の助けにもなっているし、それによって移行もちょっとスムーズになっているのかもしれない」

その後、ヒルはレシーバーとしての役割を担うということはタイトエンドポジションでパスをキャッチすることを意味していると説明し、「ああ、つまり、誰かがルートを走ってボールを受けるんだ」と語っている。

2023年シーズンは、ニューオーリンズの貴重な“スイスアーミーナイフ”として新シーズンに向けての準備を進めているヒルにとって、またしてもその実力を試されるものとなりそうだ。

【RA】