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ペイトンHCがQBウィルソンとブロンコスを活性化させられると歴史が示唆

2023年07月04日(火) 09:26


デンバー・ブロンコスのショーン・ペイトンHC【AP Photo/David Zalubowski】

いろいろな意味で、デンバー・ブロンコスの2022年シーズンは災難なものだった。

クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソン率いるオフェンスがつまずいたことを受け、ナサニエル・ハケットは1980年以来で2人目となる、就任初年度のシーズン終了前に解雇されたヘッドコーチ(HC)となった。

そんなブロンコスに、スーパーボウル優勝、プレーオフ進出9回、地区優勝7回、ヘッドコーチ歴15シーズンという経歴を持つショーン・ペイトンがやって来た。

ペイトンはウィルソンとブロンコスを活性化させることができるのだろうか。歴史は、彼にはそれが可能だと示唆している。

ブロンコスは2023年ドラフト1巡目指名権および2024年ドラフト2巡目指名権をニューオーリンズ・セインツに送り、ペイトンと2024年ドラフト3巡目指名権を手に入れた。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ペイトンは1970年以降で、1巡目指名権と引き換えにトレードされた5人目のヘッドコーチになったという。

NFLリサーチによれば、そうしたヘッドコーチの過去4人中3人――ドン・シュラ(ボルティモア・コルツ/現インディアナポリス・コルツからマイアミ・ドルフィンズにトレード)、ビル・ベリチック(ニューヨーク・ジェッツからニューイングランド・ペイトリオッツにトレード)、ジョン・グルーデン(オークランド・レイダース/現ラスベガス・レイダースからタンパベイ・バッカニアーズにトレード)――が、3シーズン以内に新チームをスーパーボウル制覇に導いているとのこと。

4人目はペイトリオッツからジェッツにトレードされたビル・パーセルズで、シュラやグルーデンがそれぞれのチームで成し遂げたように、最初のシーズンでジェッツを勝ち越しに導いた。グルーデンとシュラはさらに一歩進み、就任初年度にチームをポストシーズンに進出させている。

ペイトンのコーチ歴もブロンコスファンを楽観的にさせるはずだ。

セインツで指揮を執った最初のシーズンに、ペイトンはチームを10勝6敗、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区優勝、NFCチャンピオンシップゲーム進出に導いている。ペイトンのオフェンスをリードしたのは、身長約183cmの元QBドリュー・ブリーズで、彼はその年にオールプロとプロボウルの栄誉に輝いた。

現在、ペイトンは身長約180cmのウィルソンのキャリアを立て直すことに照準を合わせている。

もうひとつ、単純ではあるが、ウィルソンが2022年から進歩することを示す指標となるのは、彼が昨季にさまざまな記録でキャリア最低の数字を残したことだ。ウィルソンは昨シーズン、4勝11敗、試合平均16.9得点、パス成功率60.5%、タッチダウン対インターセプト比で16対11、パサーレーティング84.4をマークしており、そのすべてがキャリアで最も悪い成績だった。

ウィルソンとブロンコスの改善は見込めると言えよう――少なくとも、歴史はそう示唆している。

【RA】