10回以上のインターセプトを喫するシーズンはもう繰り返さないとカウボーイズQBプレスコット
2023年07月18日(火) 12:09ダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットは昨シーズン、NFLでも特に注目を集めたチームの指揮を執りながら、キャリア最多で、リーグ内でも最も多い15回のインターセプトを喫した。また、サンフランシスコ・49ersに敗れたディビジョナルラウンドでも、追加で2回のインターセプトを浴びている。
プレスコットは自分のミスが毎回注目されることの厳しさを理解しているようだ。
『The Fort Worth Star-Telegram(ザ・フォート・ワース・スター・テレグラム)』によると、プレスコットは7月に自身のユースフットボールキャンプの場で「俺たちは話題になっている。人が何か話そうと思ったときに、最初に向かうところだ」とコメントしたという。
しかし、2022年に何度もターンオーバーを喫したことを踏まえると、プレスコットは自分自身にいくらか余裕を持つことを許している。
「自分が誰かは分かっているし、過去にさかのぼってドロップ(落球)の半分を取り除くことができる」と強調したプレスコットは「レシーバーのせいだとは言わないけど、数を半分に減らしてからそれについて話し始めたら、誰もその話をしなくなる」と続けた。
半分がドロップに起因するわけではないが、レギュラーシーズンに記録したインターセプトのうち4回にはレシーバーによるディフレクションが含まれていた――そのうち数回は相手が触れていなければ、ほぼ確実に害を及ぼさない形で落ちていたはずだ。また、ワイドレシーバー(WR)が接触後に転倒した際に、現在はチームメイトとなっているコーナーバック(CB)スティーブン・ギルモアが決めたインターセプトもあった。
相手ディフェンスもまた、プレスコットのターンオーバーの危険性が高いプレーを、高確率で利用していたと言えよう。
『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によると、プレスコットはレギュラーシーズンでターンオーバーの危険性が高いプレーを18回行っており、パトリック・マホームズやアーロン・ロジャース、カイラー・マレーといった他のスター選手と並んでリーグ内13位タイだった。マレーのインターセプト数が7回だった一方で、マホームズとロジャースは共に12回をマーク。ジョシュ・アレンとジーノ・スミスはそれぞれターンオーバーの危険性が高いプレーが29回とリーグで最も多かったが、この2人もインターセプト数はプレスコットより少なかった。
言い逃れをすることができたとしても、プレスコットはそのカテゴリーでワースト1位になったことに対する責任がある。しかも、プレスコットは12試合しか出場していなかったにもかかわらず、その数を記録した。
最終的にどうなるかはさておき、プレスコットは次のシーズンに同じことを繰り返すつもりはないようだ。攻撃コーディネーター(OC)を務めていたケレン・ムーアと離別した後にプレーコールを担当するようになったヘッドコーチ(HC)マイク・マッカーシーの下でコミュニケーションが増えたことは、プレスコットが自信を抱いている一因となっている。
「オフェンスや、自分たちの状態を正確に理解していることも理由になっている」と語ったプレスコットは次のように続けた。「マイクは彼らに対して素晴らしい仕事をしてくれている。彼らはどこにいればいいのか、なぜいればいいのか、いつ注目されるのかを理解している。それは大きな飛躍につながるだろう」
「俺が今年、10回のインターセプトを喫することはないはずだ」
タイトエンド(TE)ダルトン・シュルツがヒューストン・テキサンズに移籍したことを受け、プレスコットの予感があたるかどうかは、安心材料となるようなタイトエンドを見つけられるかにかかってくる可能性が高い。また、WRブランディン・クックスとすぐに信頼関係を構築できるかや、2021年にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂してから丸1シーズンを経たWRマイケル・ガラップが本調子を取り戻せるかどうかも重要となるだろう。それらが実現すれば、ナンバー1WRシーディー・ラムはより安全なターゲットになる機会を得られ、そのすべてがプレスコットを大いに助けるはずだ。
それ以上に、プレスコットは言うまでもなくボールセキュリティに特別な注意を払う必要がある。2022年まではリーグ最多のインターセプト数を記録したことはなかったものの、思いがけず昨季のような成績を収めたわけではない。プレスコットは10試合以上に出場した6シーズンのうち4シーズンで2ケタのインターセプトを喫している。
プレスコットのパフォーマンスか運、あるいはその両方が改善されることで、ターンオーバーの悩みを解決することができれば、次のオフシーズンにダラスを取り巻く話題は、よりポジティブなものになるだろう。
【RA】