ビルズSハムリンが心停止から回復後初めてパッドを装着した練習に参加
2023年08月01日(火) 11:30現地31日(月)、バッファロー・ビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリンが1月2日のシンシナティ・ベンガルズ戦で心停止に陥って以来、初めてパッドを装着した練習に参加したことでまた一つ大きな前進を遂げた。
「俺は決断したんだ」とハムリンは練習後に記者たちに話している。「俺の家族、母親も父親も、俺がプレーするかしないか、どちらを選んでも俺のことを支えてくれる。でも、これが俺らの決断なのであれば、それに従って進み続ける。だから決断した。俺はそれを背負って生きていく」
ハムリンは心臓震盪(しんとう)――心臓の鼓動のあるタイミングで胸の特定の位置を強打することで心停止に至る稀な現象――となってから初めて他の選手と接触する可能性のある事態に直面し、動揺している部分はあるものの、このまま恐れ続けながら生きるつもりはないと次のように語った。
「フットボールにおいて、ためらいながらフィールドに立つことはできない。それはむしろ、より危険だ。言ったように、俺はプレーすると決めたんだ。数えきれないほどの感情を消化しようとしている。時々怖いと思った、と認めることを恐れてはいない。いつも言っているように、俺の強さは信念に根づいたもので、その信念はどんな恐怖よりも強い。俺が説きたいのはそういうことで、世界に広めたいメッセージだ。恐怖よりも信念が強ければ、どんなことでも乗り越えられる。俺はそういう思いでいま生きている」
ハムリンは1月2日にベンガルズのワイドレシーバー(WR)ティー・ヒギンズと衝突した直後に倒れ、フィールド上で心肺蘇生を受けた。救急車でシンシナティ大学医療センターに運ばれた時は重体だった。シンシナティの病院で1週間近く過ごした後、さらなる治療のためにバッファローの病院に運ばれ、1月11日に退院している。
医師からの許可を得てからハムリンはフィールドに復帰することを誓ってきた。彼はビルズの組織全体による全面的なサポートを受けている。
ジェネラルマネジャー(GM)のブランドン・ビーンは月曜日に『Inside Training Camp Live(インサイド・トレーニング・キャンプ・ライブ)』に出演した際、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロにこう述べている。
「素晴らしいことだ。今朝はダマーを力いっぱいハグした。彼の現状をとても誇りに思っている。パッドを装着した初めての練習が行われる今日、彼の両親と弟が彼をサポートするために来ている。素晴らしい話だ。命を落としかけてからパッド練習の初日でプレーするまでに、この若者は強靭な精神力を見せてきた。だから、彼は他の多くの選手と同じようにレップスに参加することができ、このチームでの役割が何であれ、そのために競争することができる。パッド練習の初日に彼がここにいることに興奮している」
パッド練習に参加することは、スポーツ界における心停止事故として大きな注目を浴びた25歳のハムリンが乗り越えた最新のハードルとなる。ハムリンは日ごとに様子を見ながら復帰に務めているという。
「今は一日一日をこなすことが目標だ」とハムリンは月曜日に語った。「大きな目標でさえ、今はそれに集中することができない。だから俺の目標は一日ずつ様子を見ながら練習に出て、1ピリオド、1秒、1プレー、1ステップに集中すること。大きな目標は、今は口にすることができない。それを考えるだけで頭が真っ白になってしまうから。そんな先のことを考えると、集中力がなくなるどころか、今すぐ対処する必要のない感情が自分の中に湧いてきてしまう。今の俺の心構えは、バッファロー・ビルズが俺を必要とした時にいつでも応えられるようにすることだ」
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