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「少し自由になれた気がしている」とセーフティに転向したカーディナルスのシモンズ

2023年08月10日(木) 12:09


アリゾナ・カーディナルスのアイザイア・シモンズ【NFL】

アイザイア・シモンズのNFLでのキャリアは当初、彼のポテンシャルに対する大きな夢と共にスタートしていた。

カーディナルスは型破りで卓越したアスリートであるシモンズの可能性を見越して、彼を選んだ。しかしながら、それから3シーズンが経った今、シモンズはジョナサン・ギャノン新ヘッドコーチ(HC)の下でラインバッカー(LB)からセーフティ(S)への転向を希望し、ポジションを変えることになった。

「ラインバッカーはやりたくないと伝えた」とシモンズは現地7日(月)にチームの公式サイトで述べている。「過去にやっていたことに戻る方が自分にとってやりやすいと思ったんだ」

シモンズはクレムゾン大学でセーフティとして大学時代のキャリアを歩み始めた。そこからラインバッカーに転向し、サイズがありながらスピードが出せるという珍しい特性を活かしてこのポジションでも活躍。しかし、NFLでは同じような成功体験はなく、シモンズはカーディナルスが新体制で心機一転を試みるこのタイミングを活用した。

「もし彼らが“君はラインバッカーだ”と言ったとしても、俺は全力で取り組んだだろう」とシモンズは言う。「彼らが俺にはそのポジションが向いていると理解した上で、一つのポジションに集中させてくれたことはうれしい」

見た目からしてシモンズが他のセーフティとは違うのは明らかだ。身長約193cm、体重約108kgと、ほとんどのディフェンシブバックよりも大柄だが、レシーバー並みのスピードがあり、たとえ異例であってもその役割を果たすことができる。

最初の数シーズンでインターセプト4回(うち1回はリターンタッチダウン)、パスディフェンス16回、ファンブルフォース7回を記録しているシモンズは、ボールを奪う才能をのぞかせてきた。しかも、それをラインバッカーとしてプレーしながら達成しており、もし彼がセーフティで傑出した存在になることができれば、一段と素晴らしい結果として称えられるかもしれない。

シモンズにとっては安心感と慣れの問題だ。カーディナルスはシモンズの5年目オプションを行使しなかったため、4年目のシーズンは彼の将来にとって非常に重要となり、彼が最も自信を持てるポジションで起用することが最善と言えよう。

「彼はバックフィールドで頼りになる選手で、それは私がセーフティに求める最も重要な要素だ」とギャノンHCは述べている。「彼は常にいい場所にいる。カバー範囲も広く、それなりのヒット能力と多少のカバレッジ能力、ダウンヒルのストライク能力も見られる。まだまだ粗削りだが、今の彼には満足している」

ボルティモア・レイブンズのSカイル・ハミルトンのプレーを収めた2022年の動画に、シモンズを活かすための青写真があるかもしれない。ハミルトンはルーキーとしてレイブンズで従来通りのセーフティの役割を果たしていないにもかかわらず、NFLの全セーフティの中で『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス)』からトップの評価を得ている。チームがシモンズの万能性を活かそうと考えているなら、彼はカーディナルスのディフェンスでも同じような成功を収めることができるかもしれない。

役割を変えた元1巡指名選手はシモンズだけではない。2021年に1巡目で指名されているゼイベン・コリンズもインサイドラインバッカー(ILB)からエッジラッシュのポジションに移る。

コリンズには自分の価値を証明する時間がまだ十分あるのに対して、シモンズの時間は限られている。ひとまずポジションの変更で自信を得たシモンズは、それが良い結果に結びつくことを期待している。

「自分にとってベストなことをすることが、チームにとってもベストなことだと思っている」とシモンズはセーフティへの転向について話している。「今はもう少し自由に、もっと自分らしいプレーができるような気がしている」

【R】