プレシーズンデビューでペイトリオッツ守備陣に包囲されたテキサンズルーキーQBストラウド
2023年08月11日(金) 17:58ヒューストン・テキサンズのルーキークオーターバック(QB)C.J.ストラウドが初めてのプレシーズンアクションでビル・ベリチック式のNFLへの歓迎を受けた。
現地10日(木)にテキサンズが20対9で勝利したニューイングランド・ペイトリオッツ戦で2回のドライブをプレーしたストラウドは、4回中2回のパスをコンプリートして13ヤードを獲得し、インターセプト1回とサック1回を喫した。さらに2回のスクランブルで6ヤードも記録された。
「出場できるなんてちょっとクレイジーな機会だよ。俺にとって初めてのNFLスタジアムでのプレー、初めてのNFLゲーム。その瞬間を得るためだけに俺はたくさんのことを経験してきた」とストラウドは試合後に言っている。「とにかく特別だった。1つ、あるプレーであのミスをしなければっていうのはあるけど、それ以外はまずまず手堅くプレーできたと思う」
「またヒットされる感覚も良かったし、グルーブを取り戻せたのも良かった。プレシーズンってのはそのためにあるんだと思う」
新人シグナルコーラーはバックアップを中心に構成されたオフェンシブラインの後ろで包囲される場面が目立った。2023年NFLドラフト全体2位指名のストラウドにペイトリオッツは3回のドロップバックでプレッシャーをかけ、繰り返し彼をスポットから押し出した。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によるとペイトリオッツは彼のドロップバックの60%でブリッツを仕掛けていたという。
「C.J.にはフィールドでライブのレップスを経験し、本物の試合を味わってもらうのがいいと考えた」とテキサンズの1年目のヘッドコーチ(HC)デミコ・ライアンズは語っている。「彼はよく動き回っていたし、ボールを正しい位置に何度か持っていった。彼がポケットを飛び出して何かを起こそうとしていたのは良かったよ」
「前線で片付けなければならないことがあるのは分かっているし、彼があれほど動かなくてはいけない状況は望ましくないが、誰にでも片付けるべき問題や改善すべきことはある。最初の試合としては良かったと思っているよ。いいライブアクションだった。彼にとって良かったと思う」
サードドライブからはプロ3年目のQBデイビス・ミルズが入り、プレッシャーを回避して早くボールを出す良い仕事をしていた。ストラウドが取り組むべき課題だ。テキサンズオフェンスはミルズの指揮下の方がスムーズにプレーしていた。これまで26回の先発を務めているだけあってバックアップ相手なら驚くことではない。ミルズは4回のドライブで12回中9回のパスをコンプリートして99ヤード、タッチダウン1回でサックはなかった。
プレシーズンゲームは残り2試合だが、ライアンズHCにとってはシーズン第1週でストラウドに学びの場を与えて彼の良い面に賭けるのか、それとも経験では上だがダイナミックさでやや劣るミルズを選ぶのかが問題だ。
ディフェンダーを目の前にしたストラウドはどこから見ても発展途上のルーキーだった。
インターセプトのプレーではボールをたたきながらワイドレシーバー(WR)のタンク・デルを凝視し、セーフティ(S)ジェイレン・ミルズが飛び込む隙を与えてしまった。ルーキーにとっては学ぶべきプレーだ。NFLのセーフティを前にワイドアウトをぽかんと見つめてはいけない。彼がボールをたたいた瞬間からプレーは死んでいた。
リーグ屈指のディープなラッシンググループを有するペイトリオッツディフェンス相手にバックアップ中心のオフェンシブラインで立ち向かうのは、どんな1年目のクオーターバックにとっても厳しい要求だ。プレシーズン最初の試合の2回のドライブだけで、ストラウドはオハイオ州立大学時代の全試合よりも多くプレッシャーをかけられていたように感じられた。この部分に関して先が長いことは明らかだったが、レップスを重ねることで改善されるだろう。
「もちろん、自分のプレーに大興奮してはいない」とストラウドも言う。「それほど長くはプレーできなかったし、ちょっと水に足を入れてみただけ。自分のミスから学んでこれからも成長を続けるよ」
木曜日のわずかな出場機会で足に水を付けたストラウド。決して最高ではなかった。ここからどう立ち直るかが彼の課題だ。
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