カウボーイズ戦で印象的なプレーを見せたジャガーズQBローク、「あまりはっきりと覚えていない」
2023年08月14日(月) 10:43NFLのプレシーズンは選手たちにとって、53名が登録されるロースター入りにふさわしい存在であることを証明すべく才能をアピールするオーディションの場となっている。
現地12日(土)、ダラス・カウボーイズに28対23で勝利した試合で、フィールドに立つチャンスを得たジャクソンビル・ジャガーズの3番手クオーターバック(QB)ネイサン・ロークは4回のタックルを破ってランニングバック(RB)クアドリー・オリソンに21ヤードのタッチダウンパスを通すという印象的なプレーを見せた。
試合後、ロークはチーム公式サイトのジョン・オーサーに「あまりはっきりと覚えていない」と話している。「少しでも時間を稼ぐ必要があると思っていただけなんだ。あれは比較的長いルートだった。完結させるために時間を稼いで、それからポケットで時間を稼ぐ必要があった。クアドリーはスクランブル時の決め事で本当にいい仕事をしてくれたし、俺はただ彼にチャンスを与えようとしただけ。うまくいってうれしい」
ヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンもこのプレーには感心している。
『Jacksonville.com』のギャリー・スミッツによると、ペダーソンHCは「数人がつきまとっている中で、あのタフネスとポケットでの冷静さ・・・そしてあのスローを決めた・・・プレシーズンゲームでも、あんなプレーはあまり見たことがない。彼は後半、グループを率いていい仕事をした。後半は本当に良かった」と述べたという。
ロークはパス17回中9回を成功させて153ヤード、タッチダウンパス1回をマーク。また、キャリー6回で20ヤード、タッチダウンラン1回も記録している。2回のドライブでプレーした先発QBトレバー・ローレンスの成績は、パス6回中5回成功、36ヤード、タッチダウン1回、インターセプト1回というもので、2番手のC.J.ビーサードはパス13回中6回成功で80ヤードという記録だった。
ローレンスは「ネイト(ネイサン)はいくつか信じられないようなプレーをした」と語っている。「彼が活躍するところを見られて本当によかった。プレシーズンゲームではああいうのが必要なんだ。試合終盤には、いろんな選手が出場する。ああいうプレーをしなければならない。彼は俺たちのために試合に勝ってくれた」
ロークのキャリアはフォート・スコット・コミュニティ・カレッジで始まっており、彼はそこで1年間プレーした後、オハイオ大学に移った。オハイオ大学では3年間で7,457パスヤード、タッチダウンパス60回、2,639ランヤード、タッチダウンラン49回を記録し、そのデュアルスレット能力を見せつけていた。その後はカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)に活躍の場を移し、2022年にはBCライオンズで10試合に出場して3,349ヤード、タッチダウン25回を記録した。
カウボーイズ戦で見せたパフォーマンスをNFLにおける“カミングアウト”ゲームのようなものと見ているかと質問されたロークは、今も同じマインドを持ち続け、前進し続ける決意をしていると語った。
チーム公式記録によると、ロークは「プレシーズンゲームにすぎないけど、試合に出るのは楽しい。練習でのプレーでは見せられないような自分の力を見せられる。今後につながるような、いい出発点になった」とコメントしたという。
ロークはNFLファンが週末を通して絶賛するような忘れがたい瞬間を演出したものの、たった1試合でビーサードのようなベテラン選手をデプスチャート上で上回るのは難しいはずだ。8月19日(土)に行われるデトロイト・ライオンズ戦および8月26日(土)に行われるマイアミ・ドルフィンズ戦という残り2回のプレシーズンゲームで、ロークはその実力を発揮する機会を得るだろう。
【RA】