ニュース

QBラブを“通常の1年目スターターより高い基準”で評価するパッカーズOTバクティアリ

2023年08月16日(水) 14:01


グリーンベイ・パッカーズのデービッド・バクティアリ【AP Photo/Jeffrey Phelps】

グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)ジョーダン・ラブは現地11日(金)に行われたプレシーズン初戦でパス10回中7回を成功させて46ヤード、タッチダウン1回を記録。サンプルとしての母数は小さいものの、2023年における最初の試合で十分な成績を残した。

ラブのブラインドサイドを守っているオフェンシブタックル(OT)デービッド・バクティアリは、ラブがアーロン・ロジャース(現在はニューヨーク・ジェッツに所属)の後ろで学んでいた時期を考慮した成長曲線を意識しているにもかかわらず、キャンプが始まってからのラブの全体的なパフォーマンスに感銘を受けている。

火曜日に『The Jim Rome Show(ザ・ジム・ローム・ショー)』でラブを1年目のクオーターバックとして評価しているのか、それともそれ以上の経験があるクオーターバックとして評価しているのかと質問されたバクティアリは「間違いなく、より高い基準だ」と答え、こう続けた。

「彼は3年かけてオフェンスの仕組みを理解してきた。殿堂入りのトップ候補で、世代を代表する才能を持ち、クオーターバックというポジションとそのプレー方法を変えたと言っても過言ではない選手のプレーを見ることができるのは、どの1巡目クオーターバックにとっても幸運なことだ。それから、フットボールを投げる仕組みもね。それを3年間見ることができた上で今がある。だから、俺にとって彼の基準値はものすごく高い」

「これまで見てきたことにはとても満足している。彼も1年目のクオーターバックとして評価されるわけではないと理解していると思うし、それは素晴らしいことだ。彼は最初からすぐに競争力を発揮すると思う。練習でその成長を見てきた。それが試合に反映されて、彼の出場時間が増えるのを見るのが本当に楽しみ。彼が試合中や試合ごとにどのように適応し、修正していくかを見てみたい」

金曜日に行われたシンシナティ・ベンガルズ戦では、ラブが参加したわずか2回のドライブの間に、バクティアリが調整を求めている部分が表れていた。24歳のラブは第3ダウン残り7ヤードの場面でワイドオープンになっていたタイトエンド(TE)ルーク・マスグレイヴの手の届かないところにボールを投げており、それはパッカーズの最初のポゼッションを終わらせる原因となっている。この夜、ラブのパスで稚拙に見えたのはこの投球だけだった。

ラブは2回目のドライブで最終4回のパスをすべて成功させている。それには、エンドゾーン後方にいたワイドレシーバー(WR)ロミオ・ドゥブスに通した完ぺきなタッチダウントスも含まれていた。

それはまさに、レギュラーシーズンの試合で重要な局面を迎え始めたときに、バクティアリが見たいと望んでいるようなタイプの軌道修正だったと言えよう。

初めてオフェンスで先発の座についたラブが、2020年ドラフトで1巡目指名された他のクオーターバック――ジョー・バロウやジャスティン・ハーバート――に近いレベルでプレーするのは無茶な話だ。3年以上プレーしたことのあるワイドレシーバーがおらず、最も経験豊富なTEジョザイア・デグアラがまだ新人契約でプレーしていることを踏まえると、なおのことだろう。

しかし、ランニングバック(RB)A.J.ディロンやセンター(C)エルグトン・ジェンキンスといったチームメイトはオフシーズンを通してラブを称賛している。また、ロジャースを9年間見てきたバクティアリが新しいQBを楽観視しているのは、間違いなく明るい兆候だ。

バクティアリは最も印象に残っていることについて「小さなニュアンスがたくさんある。多くのスナップ前のリード。特定のチェックもある。ケイデンスやスナップカウントをこなす能力もある」と語っている。

「アーロンが多くのことをものすごく高いレベルでやっているところも、(ラブが)ルーキーイヤーから今までに飛躍的な成長を遂げるところも見てきた。だからこそ、彼が試合でそれを実行するのを見るのが楽しみなんだ。ファンには見えない、あるいは気づけない小さなことがたくさんある。いわゆる、ゲームの中のゲームだ。それこそ俺が彼に本当に期待していることだし、だからこそ俺は彼を(1年目の)クオーターバックとして見ていないんだ」

「言うまでもなく、彼はボールを投げられるし、これまでにも多くのことに感心させられてきた。だけど、俺が10年間、毎日アーロンを見てきたことも分かってほしい。(ロジャースは)練習のたびに少なくとも1回はあっと驚くようなスローを見せていた。それを実現するのは難しいけど、彼から見てとれることにもとても満足している。時には“よし、これは質の高いスローだ。質の高いチェックだ。よくやった”と思うことがある。目にしているものにワクワクしている」

バクティアリは最近、『ESPN』のジェレミー・ファウラーに対し、ロジャースと比較したときに、ラブはパッカーズにとって動き回ることができるアスレチックなクオーターバックになるだろうと話している。

その際にバクティアリがロジャースのことを“遅い”選手だと説明したのは冗談だろう。だが、ラブが序盤から好スタートを切り、控え選手として学んできたことを生かして勢いを維持できれば、パッカーズはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区の王座を本気で狙えるかもしれない。

【RA】