WRのケガ人増加を受け、より練習に集中するチーフスWRリッチー・ジェームズ
2023年08月17日(木) 13:17カンザスシティ・チーフスが4月にワイドレシーバー(WR)リッチー・ジェームズと契約したことは、ほとんど予想できない出来事だった。
しかし、その影響は週を追うごとに着実に大きくなっている。ジェームズは夏のトレーニング中に注目選手として名前が挙がっていた。実際、トレーニングキャンプでは定期的に目を引く存在となっている。チーフスのプレシーズン初戦では、パス3本のうち2本をキャッチ。それぞれ43ヤードの獲得と1ヤードのタッチダウンで合計44ヤードを記録した。
今、ジェームズはパトリック・マホームズとファーストチームの攻撃陣でさらに走るチャンスを得ている。
ジェームズは現地15日(火)にチームを通じて「マホームズとプレーをする機会を得て、彼は自分が考えていることについて多くのアドバイスをくれたし、彼がボールをリリースした瞬間にどこにいるべきかを教えてくれた。俺が言ったように、彼は今その“ショー”を動かしているんだ」と話した。
ジェームズは今後、その“ショー”で走る機会が増えるかもしれない。
カダリウス・トニーの負傷と、足の負傷によって火曜日の練習を途中で切り上げたジャスティン・ロスのことを考えると、ジェームズの出場機会は増えるはずだ。昨シーズン、ジェームズはニューヨーク・ジャイアンツで期待以上の活躍を見せ、キャッチ率1位でシーズンを終えている。27歳のジェームズの出場数増加を期待するのは当然のことだろう。
ディフェンダーから上手く距離を取るジェームズの能力は、他選手のケガがあろうとなかろうと、さらなる出場機会を与えてくれる。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、日曜日にジェームズは6回のルートランでチーム内トップに当たる平均 4.1 ヤードのセパレーションを獲得した。トラフィックに苦労する一部のワイドアウトとは異なり、ジェームズは勝利のためにそういったセパレーションを必要としないことを示している。ニューオーリンズ・セインツ戦でのブレイン・ギャバートからの43ヤードのパスは、NGSによるとわずか0.8ヤードのセパレーションだった。
2018年にサンフランシスコ・49ersから7巡目指名を受けたジェームズは、最初の3シーズンで40試合出場、キャッチ38回、タッチダウン3回、合計689ヤード獲得の記録を残し、惜しみなくプレーしたが、膝のケガで2021年シーズンを棒に振った。昨シーズンはブライアン・ダボール率いるニューヨーク・ジャイアンツに居場所を確保し、驚きのプレーを披露している。ジェームズは昨年にキャリアハイのキャッチ57回、569ヤード、タッチダウン4回を記録。大事な場面でクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズの信頼できるターゲットとなった。
2022年シーズン、ジェームズはキャッチ率81.4%(ターゲット数50回以上の全WRの中でトップ)をマークし、自分をターゲットにしたクオーターバックのパサーレーティングは119.6と、クリスチャン・ワトソン、ステフォン・ディッグスに次ぐ3位だった。
今、そのジェームズにはマホームズとプレーするチャンスがある。
ジェームズはMVPのQBについて「彼はしばらくシステムの中にいて、スナップ前にボールがどこに行くかを知っているんだ。彼は”おい、この瞬間にここにボールが来るぞ”と伝えるのが本当にうまい。だから顔を上げて、キャッチの準備しておいた方がいい」と話した。
このオフシーズンは、以前のマルケス・バルデス・スカントリングのように、トニーとスカイ・ムーアがチーフスでの2シーズン目で飛躍するという話題で始まった。そして、チーフスはバーティカルスレットとして活躍できるラシー・ライスをドラフト指名。また、ロスが練習でプレーをするようになった。そんな中、ジェームズは黙々と仕事をこなし、徐々に出場数を増やしてきた。
ジェームズが本格的なナンバー1レシーバーになる、またはファンタジーフットボールのチームに早めに彼をドラフトする必要があると提案しているわけではない。ただ今シーズン、マホームズが重要な場面で大事なプレーを必要とするとき、その相手がジェームズであっても驚かないでほしい。
【AK】