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メイフィールドのジェッツ戦欠場後、「QB争いにタイムテーブルはない」とバッカニアーズHCボウルズ

2023年08月21日(月) 12:36


タンパベイ・バッカニアーズのカイル・トラスクとベイカー・メイフィールド【AP Photo/Adam Hunger】

先発争いの渦中にいる1人が現地19日(土)に行われるニューヨーク・ジェッツ戦を欠場したとしても、タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)競争はまだ続いていく。

ベイカー・メイフィールドを抑えてQB1の座を手に入れようと競うカイル・トラスクはチームの先発として28回中20回のパス成功、218ヤード獲得、タッチダウン1回を記録するなど、堅実で素晴らしい滑り出しを見せ、13対6で勝ち星を挙げたチームの勝利に貢献した。

しかし、この日の最大の難点はトラスクの仕事が終わった後にやってきた。後半はトラスクに代わって3番手のジョン・ウォルフォードが出場したが、首を痛めて担架でフィールドを去ることになり、トラスクが再び出場することになったのだ。

ヘッドコーチ(HC)のトッド・ボウルズは試合後、記者陣に対し、メイフィールドを休ませたからといって必ずしも年長のベテランがシーズン第1週の先発になるとは限らないと語ったものの、トラスクを再び起用した理由をこう説明した。

「あのときはトラスクの方が準備ができていたし、情報的にも準備万端だった。前半終了間際にベイカーを起用するつもりだったが、残り2分になってもカイルを見たかったからそのままにしておいたんだ。後半はジョンをプレーさせたかったし、彼が情報を持っていないことを考えると、ベイカーを出場させるのは不平等だったからね。トラスクはすでにウオームアップしていたから、ジョンがケガをしたときに、最後までプレーさせただけだ」

トラスクが逃したのはわずか1ドライブ半で、第3クオーターの残り1分3秒から試合に復帰。前半と同じようなプレーを披露している。

何度かミススローを犯したとはいえ、ほとんどの時間帯でポケットの中でステップアップしたほか、驚くほど状況に対応し、短いパスを通すなど満足する活躍を残した。

しかし、正念場になるとトラスクはさらに大胆になり、3本あった20ヤード以上のパスはいずれも前後半最後の5分間に投じられたものである。第2クオーター終了間際、トラスクは79ヤードのドライブを33ヤードのパスで締めくくった。期待の新人ワイドレシーバー(WR)のトレイ・パーマーがジェッツのコーナーバック(CB)デリック・ラングフォードとの競り合いでギリギリパスをキャッチした。

トラスクはフィールド復帰後の数ドライブで79ヤードのポゼッションを再び披露。7点リードのまま時間を使い、ラキム・ジャレットとテイ・バーバーにそれぞれ36ヤードと26ヤードのパスを通している。

そのドライブはQB争い同様に、キッカー(K)のポジション争いに絡むロドリゴ・ブランケンシップの32ヤードのフィールドゴール失敗で終わったが、トラスクの活躍はボウルズの気を引いた。

ボウルズは前夜のトラスクのプレーについて「ポケットでの落ち着き。彼は必要なときに足を使い、それが非常に上手くいっていた。投げるべきところにボールを投げ、ピンポイントのパスも投げていた。いくつかのプレーで後退を許したが、全体的には落ち着いていたし、多くの成長も見られた。彼はよくやったと思う」と話した。

それにしても、メイフィールドを無意味な試合でその状況に追い込むよりも、控えのオフェンシブライン(OL)の後ろでトラスクにプレーさせる方が賢明だとボウルズが考えたのは、いくらか妥当なことかもしれない。

プレシーズン初戦では、2人は同じライン構成でプレーし、メイフィールドが先発した。両者が交代するという当初の予定通り、トラスクは土曜日に先発し、その後、少し余分にプレーした格好だ。

ボウルズはメイフィールドを開幕戦に間に合わせたかったのかもしれないが、指揮官はまだ競争が続いていると強気だった。

ボウルズは日曜日の記者会見で、シーズン開幕前の最終調整でQBのスナップ回数を決めるため、まだスタッフでの議論が残っていると語った。それは今のところ伏せられたままであり、チームの先発センター(C)も同様だ。

ボウルズはポジション決定の公表について「タイムテーブルはない。決めるときは決める。現状に満足しているポジションから決めていくつもりだ」と話した。

【AK】