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故ドウェイン・ハスキンズの遺族が死亡事故をめぐる訴訟で一部和解に

2023年08月21日(月) 21:34


ドウェイン・ハスキンズ【NFL】

現地18日(金)、かつてNFLのクオーターバック(QB)として活躍した故ドウェイン・ハスキンズの遺族がハスキンズをはねて死亡させたダンプトラックの運転手であり所有者のブローカーに対する訴訟で“一部和解”に達したと、遺族の弁護士が発表した。

2022年4月9日、当時24歳だったハスキンズは南フロリダの高速道路を歩行中に死亡。遺族は訴訟の中で、トラックの運転手がスピード違反および不注意運転をしていた上に、法定重量を超える荷物を積んでいたと主張している。

ハスキンズの遺族の弁護士であるリック・エルスリーは、さまざまな当事者との和解はすでに成立しているとリリースで述べた。この件には他にもまだ10人の被告がいるが、裁判の日程は決まっていないとエルスリー弁護士は明かしている。

遺族の訴えによると、運転していた車がガス欠になり、酔った状態で高速道路に立っていたところをはねられて死亡する前に、ハスキンズは薬物を投与され、強盗と恐喝の被害に遭っていたという。毒物検査報告書では、ハスキンズが州間高速道路595号線でトラックにはねられた際に法的に酔っていたとされている。体から個別に採取されたサンプルの血中アルコール濃度は0.20と0.24で、いずれもフロリダ州が定めている上限値である0.08を上回っていた。

フォートローダーデールで起こされた訴訟では、オハイオ州立大学のスター選手だったハスキンズが、事故の数時間前に1人の男と3人の女に薬物を飲まされ、強盗に遭ったとされている。また、それらはボカラトンのホテル、高級ゴルフ練習場、バー、ナイトクラブでの出来事だったという。訴訟では具体的なことは述べられていない。当時ピッツバーグ・スティーラーズに所属していたハスキンズは、オフシーズンワークアウトのために南フロリダを訪れていた。

訴えによると、ハスキンズが借りていたピックアップトラックには機械的欠陥があり、それがガス欠を引き起こしたという。また、遺族は州高速道路局が道路を適切に整備および点灯しておらず、工事中であったにもかかわらずより低い速度制限を掲示していなかったとも主張。仮設の標識が高速道路の視界を遮っていたと述べている。

ブロワード郡検死官事務所が2022年5月に発表した死亡報告書によると、ハスキンズが一緒にいた女性は夜明け前にフォートローダーデール・ハリウッド国際空港近くの州間高速道路595号線でガス欠になったと捜査当局に話したという。彼女はハスキンズが暗闇のなか燃料を探しに行ったと明かしている。

目撃者はフロリダ・ハイウェイ・パトロールに対し、ハスキンズはトラックとSUVに立て続けにひかれた際にセンターレーンに立って車両に向かって手を振って停車させようとしていたと証言。報告書によると、ハスキンズは鈍的外傷によって亡くなったとのこと。

『Associated Press(AP通信)』はハスキンズの遺族が訴えている人物や企業の名前を伏せている。いずれも刑事告発はなされていない上に、主張を立証するような書類も裁判所に提出されていないからだ。

ハスキンズは2018年にオハイオ州立大学で活躍し、パスにおいていくつかの大学記録を打ち立てたほか、ビッグ10チャンピオンシップゲームと、バッカイズがワシントン・ハスキーズを退けたローズボウルの両方でMVPに選ばれている。

2019年NFLドラフト1巡目でワシントン・レッドスキンズ(現コマンダース)から指名されたハスキンズは、2シーズンで3勝10敗になった後にリリースされている。2021年シーズンはバックアップクオーターバックとしてスティーラーズと契約していたが、試合には一度も出場していない。

【RA】