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バッカニアーズがメイフィールドを2023年シーズンの先発QBに指名

2023年08月23日(水) 09:54


タンパベイ・バッカニアーズのカイル・トラスクとベイカー・メイフィールド【AP Photo/Adam Hunger】

オフシーズンの間に続いていたタンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)争いが正式に終わった。

現地9月10日(日)にミネソタ・バイキングスと対決するシーズン初戦ではベイカー・メイフィールドが先発を務めるとヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズが発表している。

「ベイクの時間」

オフシーズンにカイル・トラスクとの間で繰り広げられていたQB争いの結果としては驚きではない。450万ドル(約6億5,604万円)のインセンティブが付いた1年400万ドル(約5億8,314万円)の契約を結んだメイフィールドは、常に優位に立っていた。

ボウルズHCは現地22日(火)に「理由はたくさんある」と報道陣に説明。「ここでじっくり細部まで説明することはできない。私たちはミニキャンプ、トレーニングキャンプ、OTA(チーム合同練習)を通して、カイルがやってきたことすべてをとても気に入っている。春よりも飛躍的に良くなっているし、今も良くなり続けている。これからも彼に期待している」

「今はベイカーがうちのトップだ。経験面でも、プレーブックを理解するという部分でも少し優れている。カイルはこれからだが、私たちは2人とも好きだし、自分たちの現状を気に入っている。ベイカーが1番、カイルが2番だ」

一方、メイフィールドは「先発になるのが楽しみ。自分にどれだけの才能があるのか、自分がどういうタイプのリーダーなのかは分かっている。これからが本番だ。これからが本当の戦いだし、みんな興奮している」と話した。

2018年ドラフト全体1位指名を受けたメイフィールドは、この3シーズンで3チーム目の開幕スタメンとなる。2020年にはポストシーズンゲームで勝利を収めるのに貢献したものの、クリーブランド・ブラウンズで浮き沈みの激しい4シーズンを過ごしていたメイフィールド。昨オフシーズンにはブラウンズがデショーン・ワトソンを獲得したのに伴い、カロライナ・パンサーズにトレードされている。

メイフィールドはパンサーズの先発としてシーズン開幕を迎えたものの、精彩を欠くオフェンシブラインの後ろで健康と成績の維持に苦しんだ。7試合に出場したのちにパンサーズから放出されたメイフィールドは、シーズン途中にロサンゼルス・ラムズと契約。初めてラムズの一員として臨んだラスベガス・レイダース戦で見事な逆転劇を演出するなど、適切なオフェンスであればまだプレーを生み出せるということを示した。

今オフシーズン、バッカニアーズは引退したトム・ブレイディの後釜となることを期待して28歳のメイフィールドを獲得。プロテクトされているときはNFLで通用する投球ができるメイフィールドは、ワイドレシーバー(WR)マイク・エバンスやクリス・ゴッドウィンを自在に操ってディープボールも披露できるはずだ。

プレシーズンにおけるトラスクのパフォーマンスは地味ながら堅実なものであったため、QB争いは長引いていた。しかし、ボウルズHCがプレシーズン第2戦でずっとメイフィールドをベンチに置いていたことは、この競争が実質的に終了したことを示唆していたと言えよう。

現在、QB争いには正式に終止符が打たれ、メイフィールドはバイキングス戦で先発組としてフィールドに立つことになっている。メイフィールドがいつまでその座を維持できるかは、フィールドで決まるだろう。

【RA】