プレシーズン最終戦で自信と落ち着きを見せたコルツ新人QBリチャードソン
2023年08月25日(金) 14:30屈強な右腕にしろ、俊足にしろ、現地24日(木)夜に行われた試合で33回のスナップに参加したアンソニー・リチャードソンは、異次元の潜在能力を見せつけた。
必ずしも望ましい結果がついてくるわけではなかったが、インディアナポリス・コルツの先発クオーターバック(QB)であるリチャードソンは、ルーキーシーズンを迎えるにあたり、全体的にポジティブな結果を残してフィラデルフィア・イーグルスとのプレシーズン最終戦を締めくくっている。
2度目の出場となったプレシーズンゲームで前半を通してプレーしたリチャードソンは、5回のシリーズで3回のスコアリングドライブを演出し、17対13とリードを手にしてハーフタイムを迎えた。リチャードソンはパス17回中6回を成功させて78ヤード、キャリー5回で38ヤードを記録。パス成績は素晴らしいものとは到底言えないが、オフェンスの冷静さとコントロールの向上はそれ以外の部分が物語っていた。
リチャードソンの自信は、最初のスコアリングドライブを終えた後に、“Fly Eagles fly(フライ、イーグルス、フライ)”のモーションで腕をばたつかせたときに最も顕著に表れていたと言える。リチャードソンのこの動きに、リンカーン・フィナンシャル・フィールドのファンたちは動揺。この瞬間は注目を集め、ソーシャルメディアを騒然とさせたが、2クオーターにおけるリチャードソンの総合的なプレーは、圧倒的なポテンシャルを示すものであり、それによって彼は魅力的な有望選手となっている。
8月15日にチームのQB1に指名されたリチャードソンが率いるコルツは、最初のドライブで苦戦を強いられた。しかし、2シリーズ目からハリーアップオフェンスに取り組むと、リチャードソンは落ち着きを取り戻している。2回目のドライブでは2回中2回のパスを成功させて36ヤードを記録。ランニングバック(RB)ディオン・ジャクソンが3ヤードのタッチダウンランでそのドライブを締めくくった。第3シリーズで、リチャードソンは最初に16ヤードのランで順調なスタートを切った後、パス3回中2回成功で19ヤードを獲得。RBエヴァン・ハルが決めた1ヤードのタッチダウンランでプレー10回、75ヤードのドライブを終えている。
当然ながら、リチャードソンが腕の力を発揮しながらも正確さに欠ける場面はあった。しかし、リチャードソンのスクランブルはセンセーショナルなものだったと言えよう。
自分にタックルを仕掛けてくる選手の間を猛烈な勢いで走り抜ける能力を見せたリチャードソンだが、木曜日の試合ではその回避能力と素早さが特に際立っていた。
ジョシュ・アレンがバッファロー・ビルズで過ごした最初の数シーズンでそうだったように、リチャードソンもまた、スリルと恐怖が満点の1人乗りジェットコースターのような存在になる素質を備えている。
コルツは昨季、見るに耐えない試合ばかりしていたが、少なくともリチャードソンはより面白い試合を展開することを保証してくれそうだ。
ハイライトになるようなシーンは生み出せても、一貫性については発展途上――リチャードソンに関して言えば、これはもちろん斬新な分析ではない。
リチャードソンのポケットでの落ち着きと存在感は、プレシーズン初戦から最終戦までの間に明らかに向上している。最終リハーサルの場となったイーグルス戦でも、リチャードソンは余裕と自信に満ちあふれていた。
次に待ち受けているのは本番だ。リチャードソンは9月10日(日)に行われるジャクソンビル・ジャガーズ戦でNFL公式戦初先発を果たす。
【RA】