現地25日（金）、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが、サンフランシスコ・49ersのクオーターバック（QB）トレイ・ランスがダラス・カウボーイズにトレードされると報じた。

同じく『NFLネットワーク』のトム・ペリセロによると、49ersはランスと引き換えに2024年NFLドラフトの4巡目指名権を受け取ることになるという。

マイアミ・ドルフィンズに1巡目指名権3つをトレードし、2021年NFLドラフト全体3位でランスを指名した49ersは、週明けにチーム内でのQB競争が終わりサム・ダーノルドが控えの役割を担うことが決定した後、ランスがブロック・パーディーとダーノルドに次ぐデプスチャート3位のクオーターバックとなることを発表した。

49ersのジェネラルマネジャー（GM）ジョン・リンチは金曜日の夜、チームのプレシーズンゲーム放送中に「彼は本当に素晴らしい若者なので、厳しい一日だ。われわれは挑戦したが、うまくいかなかった。われわれはその責任を負う。負わなければならないだろう。しかし、みんなもわかっている通り、彼の物語はまだ書かれている途中だ。私はトレイに興奮している。ダラスはステップアップし、彼を本当に欲しがり、彼を追いかけてきた。だから、彼にとって素晴らしい着地点になると思ったのだ。みんなに言えるのは、うまくいかなかったのはトレイの努力が足りなかったわけでも、われわれの努力が足りなかったわけでもない。事情が重なり、彼はケガに苦しみ、このチームは勝つ準備ができているということ。われわれはクオーターバックルームを気に入っている。ブロック・パーディーをとても気に入っているし、サム・ダーノルドもブランドン・アレンも好きだ。だからトレイにはダラスで頑張ってほしい。われわれは彼のことをいつも気にかけているし、彼の仕事に対する姿勢や人間性を称賛している」と話した。

ヘッドコーチ（HC）のカイル・シャナハンは発表後、この若いQBが”将来、49ersか他のどこかのチームと”成功をつかむことができるとまだ信じていると語った。

『NFL Research（NFLリサーチ）』によると、49ersでの2年間でわずか8試合の出場にとどまったランスは、一般的なドラフトが始まった1967年シーズン以降、デビューしたチームの上位5指名選手としては最も出場試合数が少なかったという。

ランスはダラスで新たなスタートを切る。

49ersは、フランチャイズの将来を担うと期待された選手をカウボーイズに移籍させたことで、ドルフィンズに送ったドラフト指名権の価値のほんの一部しか回収できないだろう。

ケガのため、ランスが49ersで先発する機会は限られていた。初めてのシーズンでは指の骨折と膝の捻挫に見舞われ、2022年シーズンは開幕からわずか2試合で足首を骨折。シーズン終了となり、現在の先発であるパーディーに出場機会を与えることになった。

当初はプレシーズン最後のロサンゼルス・チャージャーズ戦に出場する予定だったランスは、先発として2勝2敗、797パスヤード、タッチダウン5回、インターセプト3回という成績で49ersを去ることになる。

新天地が決まった今、ランスがカウボーイズの既存のデプスチャートにどうフィットするかが問題だ。カウボーイズではまだダック・プレスコットが先発で、その後ろにはクーパー・ラッシュとウィル・グリアーが控えている。ラポポートによると、ランスはチーム3番目のシグナルコーラーになることが期待され、より多く成長する機会を持つ。まだ23歳のランスは、当初予想されていたように特別な存在に成長する可能性があり、新しいチームはそのチャンスを低額で手にしたことになる。

ラポポートによると、ランスは今後2シーズンで625万ドル（約9億1,521万円）の年俸が保証され、カウボーイズは5年目のオプション行使も可能だという。

【AK】