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レイダースがRBジェイコブスと18億円の1年契約に合意

2023年08月27日(日) 17:41


ラスベガス・レイダースのジョシュ・ジェイコブス【AP Photo/Fred Vuich】

ラスベガスで起きていたオフシーズンの問題が解決に近づいている。

レイダースとランニングバック(RB)ジョシュ・ジェイコブスが1,200万ドル(約17億5,722万円)相当の新たな1年契約について合意したと現地26日(土)、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが伝えた。この契約は1,009万1,000ドル(約14億7,768万円)のフランチャイズタグに代わるもので、オフシーズンとトレーニングキャンプを通してクラブを離れていたジェイコブスのレイダース帰還への道を開くことになる。

ラポポートとペリセロによれば、ジェイコブスは新契約によってさらに20万ドル(約2,929万円)のインセンティブを手にすることができるという。

その後チームからの発表があった。

「戻ってきたぜ😈😏」

アラバマ大学出身で2019年に1巡目指名されたジェイコブスは2022年にランでNFLのトップに立っており、これが彼の契約年だった。またチームがなかなか試合を決め切れず、ワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスがトップ3に入る成績を挙げたにもかかわらず、それを無駄にしてしまったレイダースをどうにか保ち続けたのも彼だった。

ジェイコブスは現在のチームの中で最も価値ある2人の選手の1人だが、どんなに優秀な選手であってもランニングバックとの長い縛りを避ける傾向がリーグ全体に広がる中、レイダースはフランチャイズタグ選手の7月の期限までに彼と長期の契約を結ぼうとはしなかった。自分の収益力がピークにあることを知っているジェイコブスはオフシーズンの活動に参加せず、トレーニングキャンプ中も家に残って、たとえ複数年という条件は引き出せなくとも代理人が合意に達するのを待っていた。

今回の契約は7月にニューヨーク・ジャイアンツのRBセイクワン・バークリーが調整後にサインした1年契約に似ている。バークリーもフランチャイズタグを付けられたが、チームに誠意ある姿勢が見られないとして失望感を表明。結局、バークリーはインセンティブによってフランチャイズタグよりもわずかに高い金額での契約にサインしている。

同様に、ジェイコブスの契約にもインセンティブが含まれている。

25歳の彼が自分の価値を換金するなら、今がその時だ。ただ、5年契約ということにはならないだろう。2021年にニック・チャッブが結んだ3年3,660万ドル(約53億5,952万円)の契約延長は、レイダースがジェイコブスにオファーできる契約のモデルとなるはずだ。その場合、彼は28歳のシーズンまでチームに残ることになる。

しかし、レイダースはデイブ・ジーグラーとジョシュ・マクダニエルズの体制2年目という変革の時を迎えているチームでもある。彼らはNFL首位のラッシャーを確保しようとせず、ランニングバックを優先しない方針を明らかにした。そのため、たとえジェイコブスが2023年に2022年と同じパフォーマンスを再現したとしても、彼らがすぐに考えを変えるという保証はない。今回の膠着(こうちゃく)によって生じたほつれは、今後の契約交渉において何らかの役割を果たすこともあり得る。

だが少なくとも、今回の合意はレイダースがチームとNFLのトップラッシャーの帰還を歓迎するということを意味しており、レギュラーシーズンのスタートまで残り2週間という段階でポジションに関する不安はなくなったということだ。そうでないよりは安心といえる。

【M】