2023年プレシーズン終了の直前にサンフランシスコ49ersからクオーターバック（QB）トレイ・ランスの獲得に動き、ダラス・カウボーイズは人々を驚かせた。

トレード発表後の現地26日（土）、ジェリー・ジョーンズは、ダック・プレスコットが元全体3位指名のランスの成長を助ける素晴らしい機会になるとの考えを語った。

「彼はわれわれに若いクオーターバックを成長させる機会を与えてくれる。それもドラフトでは決してできなかったレベルでの話だ」とカウボーイズのオーナーはチーム公式サイトで語っている。「そして、そうしなければならない」

ランス獲得のためにチームは速やかに行動したと述べつつ、それはQB1であるプレスコットへの強い信頼には影響しないとジョーンズは付け加えている。

「われわれは行動し、彼らに電話を切らせなかったほどだ。何としても彼にここへ来てほしかったからだ」と彼は語った。「だからといって、ダックの成功に賭けていないなどと勘違いしないでほしい。ただダラス・カウボーイズとして、未来のクオーターバックのために育成できる最高の人材を育成しなければならないというだけだ」

2021年NFLドラフトで複数の1巡目指名権と引き換えにノースダコタ州立大学のランスを全体3位で指名した49ersに、カウボーイズは4巡目指名権を譲り渡した。

サンフランシスコでのランスの時間は控えめに言ってもフラストレーションだらけだった。23歳の彼は2022年シーズン開幕前に先発の座を手に入れたが、第2週に足首を骨折してしまい、期待でいっぱいのシーズンを棒に振った。そこに現れたブロック・パーディーがルーキーながら49ersをNFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）チャンピオンシップゲームに導き、ランスをすっかり過去の人にしてしまう。チームはサム・ダーノルドを2023年のパーディーのバックアップに指名し、ランスの早期離脱はもはや避けられないとみられていた。

放出に際して49ersの選手やコーチ陣は彼への賛辞しか述べておらず、ジョーンズは若きQBが“十分な発展”を遂げていると確信する。2021年にスカウト陣から届いていたランスの報告を振り返り、ジョーンズは現在のNFLにフィットする彼のスキルセットに興味を示す。

「彼の身体能力、腕の強さ」とジョーンズは述べた。「そして率直に言って彼が――例えば――大学でダックがプレーしたほど多くフットボールをプレーしなかったことは知っている。それでも彼はとても身体能力が高く、私の考えではランとスローの両方で脅威になれるはずだ」

次の2シーズンでランスは625万ドル（約9億1,522万円）をフル保証され、カウボーイズは状況次第で5年目のオプションを行使することもできる。若きQBにとって新天地でのスタートが必要だったのだとしたら、カウボーイズとしてはロースターに優れたバックアップを加えるにしても、未来の人材を確保するにしても、理想的な状況といえる。

どちらにしてもジョーンズは、自分たちのスターQBによって、ランスが成長することを期待している。

「（プレスコットは）もはやクオーターバックの理想そのものだ。チームがついていきたいと思うナンバー1だよ」とジョーンズ。「彼は私が今まで見聞きした中でベストだ。そうした環境にいることはそれだけで（ランスにとって）素晴らしい財産となる」

「うちのコーチ陣によって彼にはそうした体験をしてもらうつもりだ。何より大きいのは、うちのクオーターバックルームにはダック・プレスコットという私の知る史上最高のリーダーがいて、彼がなれる可能性を持ったクオーターバックになるためのあらゆるチャンスを与えてくれるということだ」

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