カウボーイズにトレードされたランスには“明るい未来がある”と語るレイダースQBガロポロ
2023年08月29日(火) 13:40NFLのクオーターバック(QB)で、このポジションの難しさや試練を両面から理解している選手といえば、ジミー・ガロポロだろう。
ガロポロはまず、ニューイングランド・ペイトリオッツで4シーズン、トム・ブレイディの控えを務めるという居心地の悪い状況を経験した後、サンフランシスコ・49ersにトレードされた。そして、1年前のプレシーズン、49ersでさらに奇妙な状況に陥り、いつ(またはそもそも)チームから解雇されるのかを悩む日々を送った。その後、予期せぬ形でチームに復帰し、10試合で7勝をあげる活躍を見せた。
今ではラスベガス・レイダースに所属しているガロポロは、不安定な状態にあるQBがチームを変えることで何が起こるかについての洞察を持っている。同時に、ガロポロには最近ダラス・カウボーイズにトレードされたトレイ・ランスと、49ersで一種のメンターとして、そして控え選手として、2年間をともに過ごした経験がある。ガロポロは『NFL Network(NFLネットワーク)』のアンドュー・シシリアーノに、トレードがランスやダラス・カウボーイズ、そしてチームの先発QBダック・プレスコットにとって何を意味するのかについて語った。
ガロポロは、現地29日(火)に『NFL Total Access(NFLトータルアクセス)』で放送されたインタビューの中で「トレイのことを思うとワクワクする。新しいチャンスが彼にもたらされたんだから」と話し、次のように続けている。
「サンフランシスコでうまくいかなかった理由は何であれ、彼が再びチャンスを得られることはうれしい。このリーグはチャンスにすべてかかっているから、新しいチャンスを手に入れたらそれを最大限に活かさないとね」
「みんなそれぞれの道がある。簡単にはいかないけれど、大事なのはどうやって乗り越えるか。だから、彼のことを考えるといつもワクワクする。彼は俺の兄弟みたいなものだ。いつも応援している」
49ersのヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンは最近、49ersでのランスの活躍を十分にサポートできなかったと発言している。ガロポロはかつてのヘッドコーチを批判するつもりはなかったが、シャナハンの厳格なシステムがすべての選手にとって最適とは限らないと示唆するかのようだった。
「全体がどうなったのか、詳細は知らない」とガロポロは語る。「俺がいた時、カイルはプレーをコールしてくれていた。後はそのプレーをできるだけ上手く実行するだけだよ」
「トレイは俺の兄弟だ。だからさっきも言ったように、いつも彼を応援している。このリーグで彼には明るい未来があると思う。才能があるやつだから、後は彼をフィールドに出すだけさ」
ガロポロは2014年のNFLドラフト2巡目でペイトリオッツに指名されており、その時はブレイディがすでにチームで不動の地位を確立していた。さらに、ガロポロは49ersが2021年のNFLドラフトで驚きのトレードをして、全体3位でランスを指名するのを目撃。これはガロポロが第54回スーパーボウルの第4クオーターで49ersを10点リードの状態にしてから1年と少し後のことだ。
だから、ランスのトレードは彼にとっては良いかもしれないが、カウボーイズの先発QBであるプレスコットにとっては少し奇妙かもしれない。また、ランスがプレスコットのポジションをすぐに奪うという話は今のところないが、来年までには長い時間があり、それまでにいろいろなことが起こる可能性がある。それがNFL、特にクオーターバックというポジションの性質だ。常に誰かが仕事を奪おうとしてきて、時にはその人に指導することも求められる。
それでも、ガロポロはプレスコットのために涙を流すようなことはしていない。なぜなら、過去にこうした競争がガロポロ自身のプレーにどれだけ貢献してきたかを知っているからだ。
「いつも若い選手が入ってきて、明らかにコーチたちはより優れていると思われる若くて給料の高くない選手を望むんだ」とガロポロはコメントし、こう続けた。「でも、それがこのリーグをすごく面白いものにしていると思う。若い選手の存在が後押しになっている」
「49ersがドラフトした新人を指導することは、俺にプレッシャーをかけ、より優れた選手にしてくれた。その結果、そのプロセスを通じて俺自身も成長できた。大事なのは、どう捉えるかだと思う。自分がこの全体の中でどれだけの価値があるかを理解しないといけないし、NFLにいること、NFLのクオーターバックであるというのはどれだけ貴重な機会なのかを理解しないといけない。簡単じゃないけれど、この仕事を愛さなきゃ、ね」
【KO】