2023年シーズン開幕が迫る中、サンフランシスコ・49ersには彼らの――そして、NFLで――最高のディフェンシブプレーヤーがいないままだ。

現AP通信NFL守備部門年間最優秀選手であるニック・ボサが、大型契約を待ってホールドアウトしている。

49ersのヘッドコーチ（HC）であるカイル・シャナハンは、膠着状態に驚きはほぼなかったものの、ボサが欠場する可能性が見えていることに少し懸念を抱いていると現地30日（水）に認めた。しかしながら、スターパスラッシャーのトレードについては強く否定している。

「これまでの経緯から、こうなるとは思っていた」と言うシャナハンHCは、次のように続けた。

「うまく決着することを願っている。彼らが休むことなく、それに取り組んでいるのも知っている。ジョン（リンチ／ジェネラルマネジャー）やハンプ（ブライアン・ハンプトン／フットボール運営部門副社長）、パラーグ（マラテ／社長）たちがね。彼らのチームを知っている。しかし、できるだけ早く彼にここにいてほしいものだ」

時間だけが重要なわけではないが、シーズンが始まろうとしている今、それが大きな問題であることには変わりない。

だからこそ、“まったく“問題を感じていないと話していた8月頭に比べて、シャナハンHCのトーンに変化がでている。

水曜日にシーズン開幕の時点でボサがいない可能性があるか聞かれたシャナハンHCは、そういった状況が有り得ると考えていることを認める一方、歓迎はできないと話した。

一方、チームがボサのトレードを検討しているかとの問に対しては、シャナハンHCはこう応じている。

「いや。そのことを多くの人と話してはいない。しかし、自分が何を強く感じているかは分かっているし、皆もそれに賛同すると思う」

3度のプロボウラーであるボサは、昨年にキャリアでも最良のシーズンを送った。オールプロに選ばれたボサは、キャリアベストおよびリーグハイのサック18.5回に加え、QBヒットは48回、タックルフォーロス19回、タックル51回をマークしている。

ボサがプロボウラーに選ばれなかったのは2020年だけだ。その年は2試合の出場にとどまり、49ersはプレーオフ進出を逃した。昨シーズンに欠場した1試合を含め、ボサがいないときの49ersは、ボサのキャリアを通じて5勝10敗となっている。

「ニックだけではなく誰に対しても、いない状況でのプレーに、常に備えている。しかし、そういうことになってほしくないものだ」とシャナハンHCは話した。

【A】