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WRエバンスの代理人がバッカニアーズとの契約交渉期限を設定

2023年09月02日(土) 00:05


タンパベイ・バッカニアーズのマイク・エバンス【AP Photo/Chris O'Meara】

マイク・エバンスの代理人はタンパベイ・バッカニアーズがスターワイドレシーバー(WR)と新契約を結ぶための最終期限を設けた。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが受け取った長い声明の中で、代理人のデリク・ギルモアはシーズン初戦の前日となる現地9月9日(土)に契約交渉を打ち切ると述べている。エバンスは契約最終年に入ろうとしているところだ。

「この2年間に及ぶわれわれの努力、そしてバッカニアーズのジェネラルマネジャー(GM)ジェイソン・リヒトとアシスタントGMマイク・グリーンバーグのプロフェッショナリズムにもかかわらず、われわれはタンパに残るためのオファーを受け取っていない」とギルモアは声明の中で述べている。「他のチームが組織にとって重要な鍵となるピースや選手たちを引き留めるために歩み寄っている中で、これはマイクにとって落胆する出来事だ。彼ほどのステータスを持つ選手ならば多くがケガのリスクを避けるためにキャンプをホールドアウトしただろうが、マイクはいつも通りにハードな練習を続けてきた。それは彼がチームを第一に考えているためだ」

「殿堂級の選手で、まだ4年から6年はリーグにインパクトを与えられる選手を擁していれば、全力を尽くして彼をチームにとどめようと動くものだろう。オーナーシップもそう考えていることをわれわれは願っている」

エバンスはキャリアの最後までバッカニアーズでプレーし続けることを望んでいるとギルモアは強調し、クラブで10年目を迎えようとしているプロボウル常連WRの記録に残るプレーをアピールした。

エバンスはこれまでの9シーズンすべてで連続して1,000レシーブヤード超えを達成しており、これはNFL現役選手で最長、歴代で2番目に長い記録だ(1位は11シーズン連続のWRジェリー・ライス)。通算10,425ヤードとタッチダウン81回というのはどちらも彼が2014年にリーグ入りして以降でNFLトップ3にランクインしている。

歴代選手の中でNFL最初の9シーズンでレシーブヤードが1万ヤードを超え、レシーブタッチダウンが80回を超える選手は5人おり、エバンスがその1人だ。他はライス、ランディ・モス、マービン・ハリソン、カルビン・ジョンソンで、全員が殿堂入りを果たしている。

「われわれは1年以上にわたってマイクのバッカニアーズでのキャリアを延長しようと努力してきた。ファンの皆さんに知ってほしいのは、これが戦術ではないということ、そして決定権はオーナー側にあるということだ」とギルモアの声明は続いている。「とはいえ、彼が生涯バッカニアーでいられるようにするため、チームにはレギュラーシーズンのスタートまで時間を与えようと思う。もしもそれが実現しなかった場合、マイクの100%の焦点はフットボールと彼の未来、そして自身がインパクトを与え続けられる場所を見つけることへと移ることになる」

ギルモアのコメントはタンパベイ・バッカニアーズの記者であるリック・ストラウドが木曜日に、契約交渉は行き詰まったと報じた後に発表されたものだ。エバンスはバッカニアーズとの契約最終年を迎えている。

エージェントが期限というカードを切るときには、両サイドの話し合いが終わりに近づいていない傾向がある。エバンスは現行契約によって、シーズンあたり1,650万ドルを受け取ることになっている。WRマーケットは2018年にエバンスが契約を結んで以降、大きく成長しており、エバンスの報酬はポジション内で17番目という位置。報じられるところによれば、エバンス側はクーパー・カップが手にした3年8,010万ドルの契約と同様のものを希望しているという。バッカニアーズは移行期にあり、30歳のレシーバーにそれほどの資金を割くことを望まないかもしれない。

1つの疑問は、ギルモアが設けた9月9日の期限が、今季に対するものなのか、全体的なものなのかだ。2024年にエバンスにフランチャイズタグを指定するコストは2,843万ドルであり、スター選手はオープンマーケットに出ることになるだろう。

ギルモアが強調したように、エバンスはこのオフシーズンに波風を立てるようなことはしなかった。エバンスはキャンプに現れて参加もしている。これまでのエバンスは模範的な従業員だった。

しかし今、エバンスのエージェントは別の方向に舵を切り、船を荒れた海域へと導き出した。

期限を設けることは、行動につながる。したがって、ギルモア側からの働きかけはうまく機能するかもしれない。これがオーナーシップの注意を引き、契約が実現するかもしれない。

今回の宣言は、ワイドレシーバーを必要としており、エバンスが求める金額を支払うことにも前向きなチームの関心を引くだろう。バッカニアーズは来年にエバンスを失う前にトレードできるチャンスを歓迎している。賢明なチームは状況を確認すべく、電話を入れるはずだ。

もしくは、何も起こらないまま期限が過ぎ、エバンスの未来がタンパの空に宙ぶらりんになる可能性もある。

【M/A】