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TEケルシー不在で攻撃不発でも「言い訳はしない」とチーフスHCリード

2023年09月09日(土) 00:31


カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【AP Photo/Charlie Riedel】

トラビス・ケルシーはいなかった。クリス・ジョーンズもいなかった。

現地7日(木)、21対20でデトロイト・ライオンズに敗れ、2014年以来となるシーズン開幕戦での黒星を喫したカンザスシティ・チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは言い訳を口にしなかった。

「言い訳は一切しない」とリードHCはタイトエンド(TE)ケルシー不在の影響について聞かれ、記者団に語った。「われわれにはやるべき仕事ができる選手たちがいて、(ライオンズは)スペシャルチームでわれわれの裏をかいてドライブを継続し、われわれのはじいたボールをうまくとらえた。いいかい、ボールをドロップした選手たちがそうするのは珍しいことなんだ。私はそんな彼らを見たことがないし、次もあるとは思わない。だから、しっかりと対処をすれば大丈夫だ」

リードHCが言及したのはこの夜の決め手となった2つのビッグプレーについてだった。ライオンズが自陣17ヤードラインからパントを装って攻撃を続け、試合最初のスコアリングドライブとなったプレー。そしてルーキーコーナーバック(CB)ブライアン・ブランチが第3クオーターで見せた50ヤードのインターセプトリターンだ。

しかし、チームを悩ませたのは主にチーフスらしからぬオフェンスの苦戦だった。彼らは後半でエンドゾーンからシャットアウトされてしまい、ゲームでオフェンスが獲得したのは316ヤードにとどまった。

「オフェンスにはいいところもあった。ただもっと一貫性が必要なだけだ」とリードは語っている。「いい部分もあった。オフェンスの部分では確かにいいプレーもできていたんだ。だが残念な敗北だよ。相手はいいフットボールチームだった。われわれはもっといいプレーをしなければならないし、もっといいコーチングをしなければならない。それを実行するまでだ」

ブランチのインターセプトはワイドレシーバー(WR)カダリウス・トニーのドロップが原因だった。トニーにとってこれは散々な夜の一部に過ぎない。ケルシーを欠いた状況でクオーターバック(QB)パトリック・マホームズは11人のレシーバーにパスしたが、なかなかリズムはつかめず、前半のマルケス・バルデス・スカントリングへの34ヤードを除いてビッグプレーはほとんど見られなかった。

マホームズは第2クオーターでWRラシー・ライスとTEブレイク・ベルにパスを通してチームを前進させ、前半終了時点では14対7とリードしていたが、現役MVPをもってしても後半に魔法をかけることはできなかった。

マホームズもまた、ヘッドコーチのスタンスに倣い、ケルシーの不在を言い訳に使おうとはしなかった。

「そりゃまあ、ベストの1人、歴代ベストのタイトエンドがいないんだからね。でも、他の連中もステップアップしなきゃ」と試合で226パスヤードとチーム最多の45ランヤードを記録したマホームズは言う。「ゲームへの影響はあるけど、他の連中がステップアップしなきゃダメだ。これから(ケルシーが)ダブルでマークされることもあるだろうから、若くて優秀な他の人たちがステップアップして違うプレーを見せてくれるのに頼るしかない。彼らならやってくれると信じている」

マホームズは時にワンマンバンドのような奮闘を見せていた。それが最も顕著だったのは、ライオンズのパスラッシャーが彼の足をとらえたプレーだった。それでもマホームズはどうにか直立姿勢を保ち、ランニングバック(RB)ジェリック・マッキノンにパスを投げたが、それをドロップされてしまった。

チーフスの敗北に大きな役目を果たしたのはドロップだった。最も厳しい批判を浴びたのはトニーだったが、WRスカイ・ムーアもまた失態を見せており、3回のターゲットになりながら1度もキャッチできなかった。

ディフェンシブエンド(DE)ジョーンズの不在の影響も大きく、特にライオンズが時間切れを狙って引き延ばし作戦を取った時には明らかだった。結果的にチーフスの8連勝(プレーオフを含む)とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チームを相手に続いていた16連勝も止まってしまった。

それでも、昨シーズンのトップ5オフェンスを誇るライオンズが21点しか取れなかった。

チーフスの敗因で最も大きかったのはオフェンスの不発だ。

言い訳に利用されることはなかったが、シーズン第2週のジャクソンビル・ジャガーズ戦でケルシーが戻ってきたら、熱いハグで歓迎されるに違いない。この日の試合はオフェンスのサポート陣全員にとって、もっといいプレーをする必要があるのだという大きな教訓として胸に刻まれることだろう。

「気楽にやって勝てるわけじゃないってことを知るのは若手にとっていいことだ」とマホームズは話した。「いいフットボールをしなきゃならない。どのチームも最高のショットを見せなきゃならないんだ。プレシーズン中ずっとそれを彼らに教え続けたつもりだったけど、これで分かっただろう。来週はジャクソンビルに行く。彼らもいいチームだ。だからみんなにはここから学んで良くなってほしい。1敗が2敗に変わらないようにしないとね」

【M】