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オフェンスのコミュニケーションの“遅さ”を解決することを目指すブロンコスHCペイトン

2023年09月19日(火) 12:30


デンバー・ブロンコスのショーン・ペイトンHC【AP Photo/David Zalubowski】

デンバー・ブロンコスは新時代を迎えたが、ヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトン体制が始まって2週間が経過した今も、いくつか同じ問題に頭を悩まされているようだ。

現地17日(日)に行われた試合で、ブロンコスはヘイルメリータッチダウンを決めるも2ポイントコンバージョンに失敗するというドラマを展開した。そうした結末を迎える前、クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンとそのオフェンスはレッドゾーンで苦戦しており、ウィルソンがサックを喫した結果として2回、短距離のフィールドゴールを蹴ることになった。21対3とリードしていたところから最終的に35対33でワシントン・コマンダースに敗れ、0勝2敗のシーズンスタートとなったことを受け、ペイトンHCは記者会見で何度もコミュニケーションの“遅さ”について指摘した。

最後から2番目のドライブにおけるコミュニケーションの問題について尋ねられたペイトンHCは「1つのドライブだけじゃなかった」と返答。

「人員配置が遅れたり、ハドルから出るのに時間がかかったりしたドライブがいくつもあった。それは変えなければならない。前半はタイムアウトを使わざるを得なかったが、私はそうした戦い方に慣れていない。もっと良くならないと。私自身ももっと良くなる必要がある。ラス(ウィルソン)はプレーの展開をもっと鋭くしなければならない。それから、自分たちがどれほど入っているか見ないと。リストバンドが必要なら使うつもりだ」

ここでまたしても、リストバンドの話題が戻ってきてしまった。

2022年シーズンのブロンコスを頭から消し去ってしまった方に、あることを思い出してもらいたい。

昨年11月、シアトル・シーホークスのピート・キャロルHCはQBジーノ・スミスがプレーコールシートの入ったリストバンドを着けていることがオフェンスを円滑に動かすのに役立っていると言及した。キャロルHCはウィルソンがそのようなバンドを着用することに“抵抗”していたともつけ加えたことから、この発言はそうしたウィルソンに対する当てつけのようなものになっていたのだ。

それに対し、ウィルソンはシーホークス時代にリストバンドなしで「多くの試合に勝った」と強調し、しっかりと反論している。

面白い時間だった。

QBがリストバンドをつけるのは目新しいことでも革新的なことでもない。トム・ブレイディにとって良い物だったなら、誰にとっても良い物だと言えよう。

ここでの違いは、ウィルソンがリストバンドに抵抗し続ける一方で、リストバンドが作戦の円滑化に役立つとペイトンHCが主張した場合に、ペイトンHCが監督就任後初めてフィールド上で権力を行使する可能性があるということだ。

ウィルソンは日曜日に「ハドルの出入りは本当に良い調子だったと思う」と話している。「もうちょっと早くできたプレーが2つか3つあったと思う。試合前半では、そのうちの1回でタイムアウトをとった。もっとうまくやらないと。次こそもっとうまくやる」

ブロンコスはコマンダース戦で好調なスタートを切ったが、ウィルソンが試合前半の終盤にファンブルを喫し、その後さらにインターセプトを浴びたことで流れが変わり、21対3とリードしていた状況から逆に35対24と劣勢に立たされた。コミュニケーションの問題は、この2週間でディフェンスが相手の攻撃を止められなかったのと同様に、チームの問題の1つとなっている。

雪だるま式に事態が悪化する前に事態を好転させることが自分の役目だと理解しているペイトンHCは、次のように述べた。

「分かっている。それについて書いたり話したりするのも分かる。0勝2敗であることは変えられないが、次の試合への取り組み方や、3試合目に向けての準備の仕方は確実に変えられる。私たちにできるのはそれだけだ」

ブロンコスは現地24日(日)に今季3試合目として、現在2勝0敗のマイアミ・ドルフィンズと敵地で対戦する。

【RA】