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スティーラーズ戦でのパフォーマンスは「十分ではなかった」とブラウンズQBワトソン

2023年09月20日(水) 13:20


クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Susan Walsh】

現地18日(月)、クリーブランド・ブラウンズと5年2億3,000万ドル(約339億8,837万円)の契約を結んでいるクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンは、地区ライバルのピッツバーグ・スティーラーズとの対戦で、雀の涙ほどの額しか受け取っていないクオーターバックのようなパフォーマンスを見せた。

ワトソンは最初のプレーにおけるインターセプトリターンタッチダウン、および勝負の分かれ目となったアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットによるファンブルリターンタッチダウンを含め、ブラウンズが喫した4回のターンオーバーのうち3回を引き起こした原因となった。さらに、ワトソンは15ヤードの罰退を強いられるフェイスマスクのペナルティを2回も科されている。高給取りのクオーターバックはブラウンズが成功するためにこのようなミスを犯している場合ではないことを理解しているはずだ。

試合後、現在のプレーの感触を聞かれたワトソンは「まだこれからだ」と答えている。

「今夜は最悪だった。得点につなげたプレーもあったし、良いプレーもあったけど、自分について言うと十分じゃなかった。それは俺の責任だ。最初のプレーはレシーバーに走らせてボールを出すとか、あれやこれやと戦術をとることもできただろうけど、俺は彼にもっと良いボールを出さなきゃいけなかった。ファンブルを喫した上にタッチダウンを奪われるなんて。“この選手はこれができたはず”って言うこともできるけど、俺がボールを守らなきゃいけなかったんだ。俺たちは他の誰かに押しつけたりはしない。責任は俺が取る。すべての責任を負い、批判も受け止めるつもりだ」

ワトソンほどの金額を稼ぎながら、ワトソンがこれまで見せてきたようなプレーをすれば当然、大きな批判にさらされることになるだろう。

月曜日の試合で、ワトソンはパス40回中22回成功で235ヤード(アテンプト平均5.9ヤード)、タッチダウン1回、インターセプト1回という記録にとどまった上に、驚くべきことに6回ものサックを喫するという惨憺(さんたん)たる結果を残している。ワトソンはパスを成功させるのに苦労しただけでなく、大幅にコートの外へそれたり、レシーバーがいる位置まで飛ばせなかったりと、惜しいとすら言えないパスも多々あった。最終プレーでは、ワイドレシーバー(WR)ドノヴァン・ピープル・ジョーンズに向けた5ヤードのパスにも失敗。もしこのボールがうまく通っていれば、審判はもっと多くのペナルティを科していたかもしれない。

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、ワトソンは-0.45というEPA(追加予想得点)でスティーラーズのケニー・ピケットに並び、25回以上のパスを試みた33名のクオーターバックの中で32位となっているとのこと――最低値を記録しているのはニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソンだ。ワトソンは予想に対するパス成功率(-8.6)で31位となっているだけではなく、アテンプト平均ヤード(5.6ヤード)やパサーレーティング(69)でも31位となっている。また、パス成功率(55.1%)でも下位に沈んでいる状態だ。さらに、被サック数(9回)ではデンバー・ブロンコスのラッセル・ウィルソンと並んでワースト5位タイとなっている。彼らよりも多くのサックを喫しているのはヒューストン・テキサンズの新人C.J.ストラウド、ニューヨーク・ジャイアンツのダニエル・ジョーンズ、シカゴ・ベアーズのジャスティン・フィールズ、ワシントン・コマンダースのサム・ハウエルだ。

「オフェンスのみんなやチーム全体に、このチームのため、この組織のために、ああいう試合に勝てるようにもっと頑張ると伝えた」と明かしたワトソンは「批判を受けるのは構わない。もっと良くなっていく」と続けている。

2021年シーズンの全試合を欠場したあと、2022年シーズンに性的暴行疑惑で11試合の出場停止処分を科されたワトソンは、昨季に出場した最後の6試合で苦戦を強いられていた。一方で、ワトソンがテキサンズ時代のような姿に戻るためには、単にサビを落とすだけでいいという考え――いや、希望――があった。そして、ワトソンならそれができると信じたブラウンズは2億3,000万ドルの投資に踏み切っている。

しかしながら、この2週間で状況はほとんど変わらなかった。

ワトソンはヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーのオフェンスにうまく馴染もうとしているが、いくつかのパーツがフィットしていないのだ。

相手を惑わせるようなプレーコールがないとき、ワトソンはすぐにパスラッシュに動揺し、何度も目線を落としたり、適切なポケットから早々に抜け出したりしてしまう。そこからはリズムと信頼に欠けるQBの兆候が見受けられると言えよう。

スティーラーズ戦における精彩を欠いたパフォーマンスの責任はオペレーション全体にあると主張したステファンスキーHCは、次のように述べている。

「単純にオフェンスとしてうまくプレーできなかった。彼がやり直したいと思っているはずのパスがいくつかある。私がやり直したいと思っているプレーコールもある。本当にチームとして十分ではなかった」

ランニングバック(RB)ニック・チャッブが月曜夜に見舞われた膝のケガで今季絶望となっている中、ワトソンにかかるプレッシャーは増すばかりだ。

ワトソンはカンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズやバッファロー・ビルズのジョシュ・アレン、フィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツといった選手と同じレベルのプレーをするために高額の報酬を得ている。しかし、現在のワトソンはザック・ウィルソンと同じようなプレーをしていると言えよう。

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