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RBカリーム・ハントが最大約6億円の1年契約でブラウンズに帰還

2023年09月21日(木) 10:16


クリーブランド・ブラウンズのカリーム・ハント【AP Photo/Don Wright】

カリーム・ハントがホームに戻ってくる。

ランニングバック(RB)のハントが昨季まで所属していたクリーブランド・ブラウンズと最大400万ドル(約5億9,316万円)の1年契約を結ぶと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが報じた。その後、チームが正式にハントとの契約を発表している。

ハントの加入は、現地18日(月)夜に敗れたピッツバーグ・スティーラーズ戦でRBニック・チャッブがシーズン終了の膝のケガに見舞われたことを受けて決まった。ブラウンズは水曜日に正式にチャッブを故障者リザーブ(IR)に登録している。

クリーブランドのあるオハイオ州のウィロビー・サウス高校出身のハントは、2023年オフシーズンを通して、NFLのどこかのチームで重要な役割を果たせる機会を求めて市場にとどまっていた。トレーニングキャンプ中には興味のあるチームを何度か訪問したが、そのような契約は実現しなかった――月曜日の夜までは。

2021年シーズンと2022年シーズンの合計ランヤードが854ヤードにとどまっていたとはいえ、ハントは2023年に引く手あまたになると予想されていた。しかし、この夏にランニングバックの市場価値が著しく低下したこともあり、ハントは理想的な進路がないまま取り残されることに。ハント抜きで前進することを決めているような様子を見せていたブラウンズは、ハントに対して目立った興味を示していなかった。ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーのオフェンスにおける起用法をめぐって意見の相違があったことから、ハントは2022年だけで2度もブラウンズにトレードを要請している。そのため、両者の関係は永久に破綻したと見られていた。

ハントの元チームメイトであり、親友でもある選手が見舞われた不運なケガは、ハントにとってもブラウンズにとっても、突如としてすべてを変えた。両者がよりを戻すことになった今、ハントの役割はこれまでの数年間とは少し異なったものになる可能性がある。

月曜夜の試合でエリートランナーであるチャッブが信じられないほど陰惨なものとしか言えないケガで退場した後、ブラウンズはすぐに自分たちがどれほどチャッブに依存していたかに気づいた。チャッブの代わりを務めたキャリア2年目のジェローム・フォードは、パスファーストのユニットであることがまだ証明されていないブラウンズのオフェンスを急きょ率いる責任を負っている。

一見したところ、フォードはキャリー16回で106ヤードと、素晴らしい成績を収めたと言える。しかし、そのうち69ヤードは1回のキャリーで稼いだもので、他の15回のラッシング1回あたりの平均は2.5ヤードだった。

チャッブであろうとなかろうと、それはブラウンズが意図するランゲームの方法ではない。特にクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンの苦戦が続いている状況で、ブラウンズがフォードや最近獲得したピエール・ストロングといった選手だけで前に進むことはできないということが明らかになった。ハントが獲得可能である上に、まだその地域に住んでいることを知っていたブラウンズは、ここ最近で最も予測可能な電話をかけている。そして、それから24時間も経たないうちに、ハントとホームタウンチームとの過去は水に流された。

テネシー・タイタンズとの試合を目前に控えている中で、ハントは主力選手としてスナップに参加しないかもしれず、ステファンスキーHCは火曜日にフォードを先発RBとして起用すると報道陣に話している。しかし、ハントはチャッブと機会を分け合っていたときよりも多くの仕事を担当することを期待される可能性が高い。ハントがその仕事を遂行できるかに注目だ。

【RA】