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スティーラーズSフィッツパトリックがブラウンズRBチャッブへのヒットを弁明

2023年09月22日(金) 12:46

ピッツバーグ・スティーラーズのミンカ・フィッツパトリック【NFL】

現地18日(月)にクリーブランド・ブラウンズのランニングバック(RB)ニック・チャッブが見舞われたシーズン終了の膝のケガは見るに耐えないものだった。

その原因をつくってしまった選手は、自分自身の感情を整理し、NFL屈指のランニングバックのシーズンを意図せず終わらせてしまったことに対する反発に対処しなければならなくなっている。

チャッブにタックルしたディフェンダーはピッツバーグ・スティーラーズのセーフティ(S)ミンカ・フィッツパトリックだった。フィッツパトリックは激しく動いていたチャッブの足元に最悪のタイミングでヒット。その結果、チャッブは膝に重傷を負っている。フィッツパトリックは木曜日に、そのプレーとその後の騒動について質問された。

『ESPN』によると、フィッツパトリックは「ものすごく不運だった。とにかくきついケガだ」と話したという。

「残念ながら、それも俺たちがプレーしているゲームの一部だ。俺が悪意を持ってタックルしたと思っている人がいるのは知っている。決してそんなことはない」

「俺は試合に出てプレーをするコンペティターだ。そりゃあもちろん、ピリピリしているし荒っぽいさ。でも、卑怯なことをする選手じゃない。ここでじっくり自分の性格を弁明するつもりはない。俺は自分がどういうタイプの選手か分かっている。チャッブもそれを分かってくれている。彼とはこれまでにも何度も対決してきた。5年間、年に2回だ。彼と対戦するのが大好きだ。彼は俺のベストを引き出してくれるし、俺も彼のベストを引き出す」

フィッツパトリックのタックルは比較的小柄なディフェンダーがパワフルなランニングバックから渾身の力を受けることなくその選手を倒そうと決断して実行したものにすぎない。フットボールではよく言われるように、低い位置にいる者が勝つのだ。しかし、ブラウンズを支持している人の中には、とりわけチャッブのケガの深刻度を知った後に、フィッツパトリックのヒットが故意的な危険行為だったと見なす人もいる。

木曜日、そうした考えに反論したフィッツパトリックは、次のように語った。

「俺が誰かを故意に傷つける可能性はない。不運な出来事だった。俺たちはフィジカルなゲームをプレーしている。ケガはつきものだし、見ている人の中には、俺にこうすべきだったとか、自分ならこうしたとか言う人がいるけど、彼らは一度もプレーしたことがない。速いゲームなんだ。いろいろなことが起こる」

「さっきも言ったように、不運な出来事だった。チャッブのために祈りを捧げる。地面に倒れている彼に少しだけ話しかけた。意図的にやったんじゃないとだけ伝えた。単にタックル――つまり、フットボールのプレーをしようとしただけなんだ」

低い位置でのタックルが不幸な結果を生んだのは今回が初めてではない。振り返ってみると、2003年BCS全米選手権でオハイオ州立大学とマイアミ大学が対戦したとき、オハイオ州立大学のSウィル・アレンがRBウィリス・マクガヒーに低い位置でタックルし、意図せぬケガをさせてしまったことが思い出されるだろう。

当時とは違い、中継担当者はチャッブが負傷したときの様子を捉えたスローモーションのリプレー映像を映さない方がいいということを分かっていた。

こうした出来事は地球上でトップクラスのアスリートの間で繰り広げられる、ハイスピードでフルコンタクトのスポーツの一部だ。すべてのディフェンダーにあらゆる状況、あらゆる角度から“安全な”タックルを期待するのは不当だと言えよう。それは不可能である上に、守備選手も自分自身のことを気にかけなければならないのだ。

「まず1つ言おう。高い位置でいけって言う人は、ニック・チャッブにタックルしたことがない人だ」とフィッツパトリックは説明している。「それから、俺はゴールラインがあいているのを見ていた。彼についている人は見ていなかった。ホールがあいていて、彼がホールにいるのを見て、すぐさま低くいこうと判断した」

「彼に対して低い位置でタックルする方法を俺に教えてくれてもいいんだけど、これは速いスポーツ。ミリ秒単位で決断を下すゲームなんだ。決断を下した後に何が起こるかはコントロールしきれない。俺は低めにいくことを決めていた。俺が低い位置でいこうとしたときに誰かが彼の背中に乗っていて、ああなってしまった。他にやろうとしていたことは何もなかった。繰り返しになるけど、ものすごく残念なことだ。ニック・チャッブは素晴らしい選手だ。彼がプレーすることで試合はより良くなる。一日も早い回復を願うばかりだ」

ブラウンズのSグラント・デルピット――彼もまたフットボールのフィジカルな性質を知り尽くしている――はフィッツパトリックに責任を押しつけなかった。

『Cleveland.com』によれば、デルピットは木曜日に「これはフットボールだぜ」とコメントし、こう続けたという。「あの瞬間、俺だったらどうしていたかなんて言えない。彼はニックに危害を加えるとかそういうことをするつもりなんてなかったはずだ。正直に言って、あれはクレイジーなフットボールのプレーだっただけ。プレーには毎回、1,000通りの方法がある。君には分からないさ。時に、このスポーツをプレーするのはタフだ」

タフなスポーツであることは間違いなく、長く成功したキャリアを築くにはタフな選手である必要がある。そうしたキャリアにさえ、時にはチャッブが月曜夜に経験したような不運な出来事が含まれているのだ。

【RA】