ニュース

“仕切り直す”ことを目指すペイトリオッツHCベリチック

2023年10月09日(月) 11:17


ビル・ベリチック【AP Photo/Michael Dwyer】

またしても大敗を喫したことを受け、ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックは答えを探すことを余儀なくされている。

現地8日(日)に34対0で敗れたニューオーリンズ・セインツ戦は、ベリチックがヘッドコーチとしてホームで経験した最も大きな点差での敗北となった。前回の試合でダラス・カウボーイズに35点差――ベリチックHCの輝かしいコーチングキャリアの中で最大の点差――で敗れたことと相まって、ニューイングランドではフラストレーションが高まると同時に忍耐力が薄れてきている。

日曜日の試合後に「明らかに、今日はお粗末なパフォーマンスだった」と述べたベリチックHCは「至って単純なことだが、私たちはあれより優れたプレーとコーチのあり方を見つけなければならない。仕切り直して、今よりいい軌道に戻ろう。スロースタートを切った上で、一度も試合をコントロールすることができていない」と続けた。

通常はシーズン開幕から5試合で“仕切り直し”はしないものだが、ベリチックHCは試合後に、いつものように慎重に言葉を選びながら、過去に「そうしたことがある」と述べている。2試合連続でクオーターバック(QB)マック・ジョーンズを途中でベンチに下げたにもかかわらず、ベリチックHCの再出発にクオーターバックの交代は伴わないようだ。

ジョーンズを下げた理由を尋ねられたベリチックHCは「第3クオーター終了時点で31対0だったからだ」と答えている。その後、ジョーンズが先発を続投することを認めたベリチックHCは「多くの問題がある――それがすべて彼のせいというわけではない」とコメントした。

ペイトリオッツが第4クオーター最初の攻撃でフィールドに出たとき、ジョーンズはサイドラインにとどまっていた。キャリア3年目のジョーンズは、試合開始から一度もパスを成功させられないままインターセプトリターンタッチダウンを喫するという、荒れたスタートから立ち直ることができなかった。ペイトリオッツはそれに続くポゼッションでいくらか勢いを取り戻したものの、キッカー(K)チャド・ライランドが48ヤードのフィールドゴールに失敗。結局、これはペイトリオッツが今回の試合で最も得点に近づいたプレーとなっている。

パス22回中12回成功、インターセプト2回、ファンブル1回という記録にとどまったジョーンズは「本当にただ準備不足だったんだと思う」と振り返った。「オフェンスとしては、1週間練習して、自信を持った状態で試合に臨みたい。だから、その部分を絶対に改善したい。最初に調子が上がらない試合ばかりだったから、とにかく改善しないと」

ペイトリオッツはセインツ戦で、今季最低のトータルヤード(156ヤード)にとどまった上に、一度もレッドゾーンにたどり着けなかった。ラン攻撃でわずか45ヤード(キャリー平均2.5ヤード)しか稼げなかった中で、オフェンシブラインのプロテクションは頼りなく、ジョーンズはピックシックスおよびファンブルを喫し、ワイドレシーバー(WR)タイ・モンゴメリーはパスを落としている。これは2度目のインターセプトにつながった。つまり、セインツ戦でのジョーンズの苦戦は個人の失敗と見なされるべきではない。

在籍期間が最も長い選手の1人であり、チームのリーダーでもあるセンター(C)デービッド・アンドリュースも、シーズン第3週の第2クオーターより後にエンドゾーンに到達できずにいるペイトリオッツが悩まされている全体的な問題を認識している。

アンドリュースは試合後に報道陣に対し、「俺はみんなを信じている」と強調した。「俺は信じている。このフットボールチームにいるやつらは理由があってここにいる。俺や、ロッカールームにいるやつら全員を含めてな。みんな理由があって、目的があってここにいる。俺たちは試合に出て、フットボールチーム全体としてもっといい仕事をしなきゃいけない。彼を助けるためにそうしないと。みんながもっといい仕事をする必要がある」

この2試合で合わせて72対3と圧倒的な差をつけられているペイトリオッツ(1勝4敗)は、シーズン第6週に現在1勝3敗のラスベガス・レイダースと敵地で対戦する予定だ。

【RA】