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ペイトリオッツへのトレード前、レイダース戦への出場を拒否していた元チャージャーズCBジャクソン

2023年10月09日(月) 13:58



先週の現地1日(日)を迎える頃には、ロサンゼルス・チャージャーズとコーナーバック(CB)J.C.ジャクソンが決別する方向に向かっているのは明らかだった。

ジャクソンは試合に出ず、ディフェンスもジャクソンがフィールドにいない方が良いパフォーマンスを発揮するなど、状況は芳しくなかったと言えよう。

チャージャーズがジャクソンをニューイングランド・ペイトリオッツ――ジャクソンがキャリアをスタートさせたチーム――にトレードする前、決定的な出来事があった。情報筋によると、ジャクソンは10月1日に行われたラスベガス・レイダース戦で試合に出ることを何度も拒否し、チームメイトが負傷してフィールドに出る必要があるときでさえ、靴ひもを結ぶことなくサイドラインに立っていたとのこと。

第3クオーターにマイケル・デイビスが足首を負傷したことを受けて、複数のコーチがジャクソンに出場するよう説得しようとしたが、ジャクソンはそれを拒否し、プレーできるほど体が温まっていないなどと主張したという。

選手に近い関係者の話によれば、以前にペイトリオッツに所属していたときも、ジャクソンはウオームアップとストレッチを理由に、各ハーフの最初のドライブでフィールドに出ないことがあったという。

チャージャーズが24対17で勝利したレイダース戦で、最後まで戦い抜いたデイビスは73回中72回のスナップに参加。一方のジャクソンは一度もプレーしなかった。つまり、ジャクソンは2試合連続で、ベンチで過ごしている。

2022年3月に4,000万ドル(約59億6,700万円)を保証する5年8,250万ドル(約123億0,694万円)の契約を結んだ選手との関係が終わったことを知りながら、バイウイークを迎えたチャージャーズ。先週水曜日には、2025年ドラフト6巡目指名権と引き換えに、ジャクソンと2025年ドラフト7巡目指名権をペイトリオッツにトレードした。チャージャーズはこの取引を円滑に進めるために、ジャクソンへ支払う報酬の大半も負担している。

数字面を見れば、チャージャーズにとってはジャクソンがいない方がいい。今季、アサンテ・サミュエルJr.とデイビスが先発した試合で、チームは2勝0敗となっている。過去2シーズンの一部で、チャージャーズはジャクソンが出場した試合で3勝4敗、出場していない試合で9勝5敗だった。昨シーズン、チャージャーズ守備陣は最後の6試合で6位以内に位置していた。また、チャージャーズはジャクソンがサイドラインに控える中、スター選手のワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスやランニングバック(RB)ジョシュ・ジェイコブスが率いるレイダース攻撃陣を封じ込めている。

チャージャーズとジャクソンの間に問題が生じたのは、レイダース戦での出来事が初めてではなかった。

情報筋によれば、ジャクソンはスポーツパフォーマンススタッフやコーチ、そしてサポートスタッフとの間でも問題を抱えていたとのこと。それは困難な問題であり、誰も彼と意思の疎通ができていなかったという。

ジャクソンは2022年のトレーニングキャンプで素晴らしいパフォーマンスを見せていたが、レギュラーシーズン開幕直前にチームとの関係は破綻し始めた。8月に足首の手術を受けることを選んだジャクソンは、レギュラーシーズン初戦を欠場。ヘッドコーチ(HC)ブランドン・ステイリーは当時、特定のケガではなく不快感を軽減するための処置だと報道陣に明かしたが、チームはこの決断を支持していた。

その後、10月に膝に重傷を負ったジャクソンは、2022年シーズンの残る試合を欠場している。

今シーズンにフィールドに復帰したとき、ジャクソンはかつての姿ではなくなっていた。最初の2試合で苦戦していたジャクソンはシーズン第3週にヘルシースクラッチの状態に。この判断を受けてジャクソンは「混乱している」と明かしている。ヘルシースクラッチはロースター登録55名には含まれているものの、負傷など健康状態に問題がないにもかかわらず、試合にアクティブ登録される48名(もしくは47名)には含まれない選手のことで、通常、試合日のアクティブ登録から外されるのは故障者であることがほとんどだ。

9月27日、ジャクソンは『NFL Network(NFLネットワーク)』のブリジット・コンドンに「コーチには、他に何をしろって言うんだって伝えた。俺はあらゆることをやってきた」と語っている。

ジャクソンは先月、マサチューセッツ州で過ごしていた2022年に起こした交通違反容疑に関する法廷審問に出席しなかったことで、法的な問題にも巻き込まれていた。

現在、ジャクソンはロサンゼルスを離れている。この契約がチャージャーズにとって間違いであったことは確かだ。しかし、かつてドラフト1巡目で指名したディフェンシブタックル(DT)ジェリー・ティレリーを放出した昨年と同様に、大物選手を他チームへ送ることは、たとえそれが最も美しい解決策ではなかったとしても、チャージャーズはチームにとって正しいことをするのだというメッセージをロッカールームに送ることにつながっている。

そうして、チャージャーズはチームとの相性を重視しながら前へ進んだ。

また、チャージャーズ守備陣はバイウイーク明けに補強を得られるかもしれない。セーフティ(S)ダーウィン・ジェームズやラインバッカー(LB)ジョーイ・ボサは早ければ10月16日(月)に組まれているダラス・カウボーイズ戦で復帰することが見込まれている。

一方、ペイトリオッツではコーナーバックの負傷者が続出しており、傑出した新人CBクリスチャン・ゴンザレスも肩の負傷で残る試合を欠場する見込みとなっている。

ジャクソンはキャリア最初の4シーズンを過ごしたペイトリオッツで、すぐに貢献する機会を得るはずだ。

ペイトリオッツのSジャブリル・ペッパーズはジャクソンについて「彼はこのシステムでプレーしたことがある。だから、いくつかのことを押さえなおしてもらわなきゃいけないだけ。でも、これまでのことをすべて踏まえると、彼は間違いなく素晴らしい補強だ」と報道陣に話している。

【RA】