「このために生まれてきた」と大活躍のパッカーズ戦を振り返るレイダースDEクロスビー
2023年10月11日(水) 14:53得点の動きの少ない静かな夜、ラスベガス・レイダースはディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーとその守備陣に頼り、マンデーナイトのグリーンベイ・パッカーズ戦で17対13での勝利を収めた。
クロスビーはボロボロのパッカーズ攻撃陣に大混乱を引き起こし、クオーターバック(QB)ジョーダン・ラブを恐怖に陥れながら、タックル5回(うちロスタックル4回)、プレッシャー4回、ランスタッフ3回、サック1回を記録し、今シーズン最高のパフォーマンスを見せるレイダース守備陣を率いてチームを勝利に導いた。
ヘッドコーチ(HC)のジョシュ・マクダニエルズは試合後の記者会見でクロスビーのプレーについて聞かれ、「一貫性だね。マックスは毎日努力し、プレーしている。チーム、チームメイト、自分の身体、練習に対して、どれだけ細かいことまで気にかけているかだと思う。彼は毎回全力を尽くしているし、フィールドから出ることはない。それに、素晴らしいリーダーシップもある」と答えた。
レイダースは不調ではあったが、シーズン開始1カ月で好き勝手なパフォーマンスを披露したわけではない。守備陣はパスでのタッチダウン8回と1試合平均134.3ラッシングヤードを許してリーグ23位の記録を持って月曜日の試合に入った。
クロスビーは今回の結末が来ることを知っていたようだ。ゴールデンタイムの試合は、展開を変えるショーを披露するのに最適な舞台だと認識していたのだ。
クロスビーは『ESPN』のリサ・ソルターズに対し「俺たちはやったんだ。これは俺が一年中やっていること。大好きなんだ。俺のすべてさ。俺はこのために生まれてきたんだ。ファンのためにも、このスタジアムに戻っての勝利は最高だった」と話した。
パッカーズはクロスビーを抑えようと努力し、ラブのポケットをパスラッシャーの側から遠ざけたり、ダブルチームで妨害したりしたが、2度のプロボウル出場経験を持つクロスビーは、それでも早くから頻繁に存在感を見せた。
クロスビーの4回のQBプレッシャーは、膝のケガで退場するまで、相手がクロスビーへ注意を払っていることから恩恵を受けたDEマルコム・コーンスと並んでチームトップタイだった。また、4回のロスタックルは、レイダースの他の選手を合わせても1回のみの記録だったことから、その活躍がより印象的なものとなった。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、クロスビーが複数のロスタックルを記録したのはキャリア19試合目で、2019年シーズン以降のNFLではピッツバーグ・スティーラーズのアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワット(21試合)に次いで2番目に多い。
現在チームメイトの中で最多のサック4回を記録しているクロスビーは、大事な場面で今シーズン5回目のサックを決めた。パッカーズは後半のドライブで連続得点し、再びレイダース陣内に入っていた。17対13でレイダースがリードしている状況で、クロスビーがラブを抑え7ヤードのロスタックルを成功させたところ、このプレーでパッカーズの勢いが止まった。次のプレーですべてを取り戻そうとしたラブのパスはティップされてラインバッカー(LB)ロバート・スピレインの手に渡り、LBがこの日2回目のインターセプトを決めたのだ。
クロスビーは自身の活躍について「個人的なことなんだ。俺がやることはすべてそうだ。自分の価値を証明するために、俺は常にそれ以上のことをしなければならない。毎日ここに出てくるたびに、何かを証明しようとしているんだ」と語った。
クロスビーのプレーを見て、他のレイダースの選手たちも彼に続いた。
その手応えはパスディフェンスに顕著に表れた。ラブはタッチダウン6回、インターセプト0回という好成績で敵地に乗り込んだ一方、レイダースは9月中にインターセプトを1回しか奪っていない。しかし、その状況は逆転した。前述したスピレインのインターセプトに加え、残り1分を切ったところでコーナーバック(CB)アミク・ロバートソンがエンドゾーンでボールをキャッチし、試合を終わらせたのだ。
ロバートソンの勇姿が必要となったのは、レイダースが残り試合時間2分での第4ダウン残り2ヤードで、52ヤードのフィールドゴール(FG)を蹴ることを選択した後だった。キッカー(K)のダニエル・カールソンはFGを失敗し、パッカーズはフィールド中央付近でボールを獲得。逆転勝利にはタッチダウンが必要だった。
レイダース守備陣はパッカーズの前進を許し、ファーストダウン2回で自陣35ヤードラインまで到達されたが、最終的には素晴らしいユニットの力を見せ、パッカーズにとどめの一撃を与えた。
レイダース攻撃陣がまだ自分たちのリズムを探し求めている中、クロスビーとその仲間たちは、3試合ではなく1試合で勝率5割に戻るチャンスを得た。
クロスビーは「守備陣としては、さっきも言ったように、個人的に受け止めている。誰もが守備が弱点だと話している。だから、俺は個人的に受け止めているし、みんなも個人的に受けとめている。俺たちは日々良くなっている。一緒に成長しているんだ。まだまだ改善の余地はたくさんあるけど、いいスタートが切れたと思う」と話した。
【AK】