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トレード話に「自分の時間やエネルギーを費やす価値はない」とバイキングスQBカズンズ

2023年10月12日(木) 11:13


ミネソタ・バイキングスのカーク・カズンズ【AP Photo/Matt Rourke】

これまでの戦績を見ると、ミネソタ・バイキングスは好調とは言えない。その一方で、チームのクオーターバック(QB)が質の高いプレーをしていることから、このまま両者が決別するのではないかという声も出ているようだ。

カーク・カズンズはノートレード条項が含まれている現行契約の最終年を迎えている。カズンズが他のより良いチームでの再出発を望めば、そのような条項を放棄することも可能だ。また、それはバイキングスにとって2018年から先発を務めてきたシグナルコーラーに対する見返りを得る機会にもなる。

しかし、カズンズはそのような将来について考えることにあまり興味がないようだ――少なくとも今のところは。

現地11日(水)、ノートレード条項を放棄する可能性について聞かれたカズンズは「俺は今週の(シカゴ・)ベアーズ戦と、そこで勝つことにものすごく集中している。それ以外のことに自分の時間やエネルギー、注意を払う価値はない」と話している。

カズンズとそのチームメイトたち(ケガによる欠場が決まっているワイドレシーバー/WRジャスティン・ジェファーソンを除く)がNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区最下位からの脱出を目指す中、1勝4敗のバイキングスは日曜日に1勝4敗のベアーズと敵地で対戦する予定だ。

パスヤード(1,498ヤード)でリーグ内2位につけているカズンズは、タッチダウン対インターセプト比が13対4となっており、パサーレーティング(101.7)で7位に位置している。ターンオーバーの問題(および、その部分に関してチームメイトが抱え続けている問題)を除けば、カズンズはチームの戦績以上のパフォーマンスを見せてきた。35歳にして、カズンズは単純にもっと良い環境に値する存在となっている。

バイキングスがNFC北地区を制覇した昨季とは正反対――接戦で勝つのではなく負けるという――結果を残していることから、10月31日(火)のトレード期限が近づくにつれて、カズンズの将来をめぐる雑音はますます大きくなるだろう。今のところそれを無視しているカズンズは、ソーシャルメディアを利用できない折り畳み式携帯電話を使用し、外部の声を遮断している。

「知らぬが仏って言うだろ。俺は本当に知らないんだ」と語ったカズンズはこう続けた。

「あまり多くのことにアクセスできない状態だし、計画的にそうするようにしている。かなり意図的にね。高校の友だちが読んだ内容をメールしてきたら、それに対しては返信するかもしれないけど、何も知らないままでいたいから、メールが来ない方がありがたい」

「それはさておき、何が起こっているのか本当に知らない。俺は時々、世間知らずというか、ちょっとバカらしいくらいに周りを遮断してきたけど、あらゆるリソースを費やしたり、そうしなきゃいけなくなったりするような状況よりは、こっちを選びたい。繰り返しになるけど、そんなことをしていたら大事なこととか、良いプレーをするために役立つことから集中がそれてしまう。だから、俺はこういうふうにしたいんだ」

今のところ、フットボールに集中することはカズンズにとって有効な手段となっている。ただ、バイキングスの他のメンバーにとってはあまり効果がないようだ。リーグ内最多12回のギブアウェイを記録し、短時間かつ頻繁にポゼッションを終わらせているバイキングスには、自ら招いたシーズン序盤の不調を克服する力強さも欠けている。

バイキングスが今季に好成績を残すことはできないと悟り、カズンズを他チームへトレードすることで質の高いリターンを得るかどうかは分からない。そうならなければ、カズンズはいつものように、メールで仲間とやり取りし続けるだろう。

【RA】