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チーフス戦での15連敗を止めたいブロンコスとQBウィルソン、「新たな歴史をつくらないと」

2023年10月12日(木) 12:33


デンバー・ブロンコスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/David Zalubowski】

現地12日(木)はデンバー・ブロンコスがカンザスシティ・チーフスに最後に勝ってから2947日目にあたる。

ブロンコスが最後にチーフスに勝利したのは2015年9月17日。その頃、チーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズはまだテキサス工科大学に在籍していた。そして、それは元QBペイトン・マニングがブロンコスの司令塔を務めていた最終シーズンにつかんだ勝利だった。

それ以来、チーフスはブロンコスを相手に15連勝している。

ブロンコスのQBラッセル・ウィルソンは木曜日の夜にこのライバル関係の物語を変えることを目指しているようだ。

チーム公式サイトによると、ウィルソンは火曜日に「重要なのは、新たな歴史をつくらないといけないということだ」と語ったという。

「1回1回のプレー、1つ1つの瞬間、1回1回の試合を大切にしながら、それができるようにならないといけない。どの試合にもそれぞれの歴史がある。俺たちはこの試合に集中して、勝たなきゃいけない」

2016年シーズン以降、ブロンコスは11名の先発クオーターバックを入れ替えつつ、ポストシーズン進出を果たせていない。さらに、昨季までの7シーズン中4シーズンでAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区最下位となっている。

チーフスが成し遂げてきたブロンコス戦での15連勝は、現在進行形で、あるチームが他のあるチームに対して挙げている連勝数として最多記録タイとなっている(ニューイングランド・ペイトリオッツがニューヨーク・ジェッツに対して15連勝中)。

マホームズは2017年シーズン第17週に行われたブロンコス戦でキャリア初先発を果たし、その試合でチームを27対24の勝利に導いた。マホームズはキャリアを通してブロンコスに負けたことがまだ一度もない。

マホームズは先発として出場したブロンコス戦で11勝0敗という成績を収めている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、これはスーパーボウル時代に先発QBとしてキャリアを開始したときからあるチームに対して挙げた連勝数として最多タイ記録だという。また、先発QBがキャリアのいずれかの時点で1つのチームに対して挙げた連勝記録としては歴代5位タイとのこと(ボブ・グリーシーがバッファロー・ビルズに17連勝、トム・ブレイディがビルズに13連勝、スティーブ・ヤングがロサンゼルス・ラムズに13連勝、トロイ・エイクマンがアリゾナ・カーディナルスに12連勝)。

連勝を達成しているとはいえ、マホームズにとってブロンコス戦は必ずしも容易なものではなかった。マホームズはブロンコスとの試合で通算8回のインターセプトを喫している。ブロンコスがマホームズに対して決めたこのインターセプト数はどのチームよりも多い。また、ブロンコスはマホームズに5回以上のインターセプトを投げさせた唯一のチームでもある。キャリアを通して、マホームズと対峙する試合で複数のインターセプトを決めた選手はNFLに5名しかおらず、そのうち3名(フリーセーフティ/FSジャスティン・シモンズ、インサイドラインバッカー/ILBジョジー・ジュエル、コーナーバック/CBパトリック・サーテイン二世)はブロンコスに所属している。

一方的な戦績を残してきたにもかかわらず、マホームズは火曜日に、チーフスはこのライバル関係を常に真剣に受け止めていると強調した。

「ブロンコスのようなチームと対戦するときは、どの地区ライバルと対戦するときも同じだけど、別次元の激しさがあるから、必ずしも連勝とかそういうのを気にしているわけじゃない」と話したマホームズは次のように続けている。

「俺は地区内の相手に勝てるかどうかを気にかけている。記録がどうなるかが大事なわけではないと、このロッカールームにいる全員が分かっていると思う。接戦になるだろうし、激しい戦いになるだろう。両チームとも全力を尽くすだろうし、それがこの対戦の歴史なんだ」

「それが自分に関わることだし、連勝記録じゃなくて、試合に出て、厳しい戦いの中で同地区の相手に勝つ方法を見つけることが大事だ」

5週間を通して、ブロンコス(1勝4敗)にチーフスをAFC西地区の王座から引きずりおろす準備ができている気配はほとんどなかった。しかし、ショーン・ペイトンHC(ヘッドコーチ)率いるチームが、プライムタイムにチーフス(4勝1敗)を下し、デンバーにはびこる悪夢の連鎖を終わらせることで、その物語を書き換えることはできる。

【RA】