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ドルフィンズでの再出発で自分らしくいることを目指すWRクレイプール、「俺はいいチームメイトだ」

2023年10月13日(金) 12:02


チェイス・クレイプール【NFL】

シカゴ・ベアーズでの短い在籍期間はワイドレシーバー(WR)チェイス・クレイプールにとって失望の幕切れとなった一方で、新たな道を切り開いた。

ベアーズはクオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズのために体格の良いプレーメーカーを供給しようとした2022年の試みが失敗に終わったことを認め、ドラフト後半の指名権と引き換えにクレイプールをドルフィンズにトレードしている。一方のクレイプールは強豪チームと再出発を果たす機会を手にしたが、ドルフィンズの才能あふれるワイドレシーバーの中に割って入るには、ベアーズ時代以上の努力が求められる。

ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは現地11日(水)に、「このチームでやらなければならないことの一つは、唯一重要な場所、つまりフィールド上で仲間たちとプレーする特権を勝ち取ること」と述べている。

クレイプールはそのような特権をベアーズで得ることができず、シーズン第1週にグリーンベイ・パッカーズに敗れた際、クレイプールのプレーは当然のように批判された。その翌週、キャッチ3回で36ヤードとタッチダウン1回を記録するほどまでにパフォーマンスを改善したものの、2週間も経たないうちに自宅待機を命じられ、その時点でベアーズでの任期は事実上終わりを迎えた。

交渉の余地がほとんどない状況でベアーズはクレイプールをドルフィンズにトレードし、フィールド外での波乱を排除した。ドルフィンズの新しいチームメイトは身長約193cmというクレイプールの体格の良さに感心しているようだ。

WRジェイレン・ワドルは「フィールド上で動いている、でかいマシンみたいだ、と本人に言ったんだ」と話している。

「彼の際立っていることのひとつが、体格の良さだ。その体格の割にはボールをうまくキャッチして運んでいるから、彼のプレーを見るのが楽しみだ」

クレイプールの運動能力が疑われたことは一度もない。ピッツバーク・スティーラーズでの最初の2シーズンで、クレイプールはそのサイズと能力を生かして1,700ヤード以上とタッチダウン11回を記録したが、今となっては何年も前のことのように感じられる。

有能なオフェンス陣を有するチームに移籍した今、クレイプールはドルフィンズのスピーディーなオフェンスでポジションを得る価値があることを証明できれば、プレーメーカーとしての評価を回復するチャンスがあるだろう。

ドルフィンズでプレータイムを得るためには何が必要かという質問に対して、クレイプールは「チームメイトであるという点では、これまでと同じだと思う」と説明した。

「俺はいいチームメイトだ。それを証明するために特別なことをする必要はないと思っている。ただ自分らしくいるだけでいいし、新しい仲間に囲まれて、自分の力を見せられることにワクワクしている」

クレイプールがドルフィンズでやる気を出す理由はいくらでも見つかるだろう。今季のドルフィンズのオフェンスは爆発的で、シーズン開幕から5試合までの総獲得ヤード数では2000年にロサンゼルス・ラムズが記録した2,568ヤードを上回り、チーム最多記録を更新している。1試合あたりの得点(36.2点)、パスヤード(327.8ヤード)、ラッシングヤード(185.8ヤード)はすべてNFL内でトップを誇る。クレイプールにとって重要になるのは、すでに円滑なオフェンスにどれだけフィットできるかだ。

クレイプールが迅速にプレイブックを吸収し、シカゴ以上の努力ができれば、きっとチームにフィットするはずだ。ドルフィンズ攻撃陣がその才能の使い方を見いだすのに苦労することはないだろう。その中で、クレイプールは自らの評判を立て直すことができるかもしれない。

クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアは「これはロッカールームにいるみんなにとって、彼が何者なのかを知るチャンスであり、彼にとってはロッカールームに対して自分自身を表現するためのチャンスだと思う。自分たちの意見を元に、チェイスや他のメンバーについての評価やいろいろなものの土台を作っていくつもりだ」と話した。

【R/A】