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QBマレーのフィールド復帰を慎重に進めるつもりのカーディナルス

2023年10月23日(月) 09:50


アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Ross D. Franklin】

アリゾナ・カーディナルスは先週、クオーターバック(QB)カイラー・マレーの練習期間を開始した。これにより、ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の手術を受けたマレーはフットボールフィールド復帰への第一歩を踏み出している。

早い段階で練習を再開していることから判断すると、今のところは順調なのだろう。しかし、マレーがすぐにアクティブ登録されるとは思わない方がよさそうだ。

情報筋によると、マレーの復帰には数週間がかかる見込みで、最も可能性が高いのは3週間にわたって練習した後に現地11月12日(日)に行われるアトランタ・ファルコンズ戦に出場することだという。フィールド内外で万全の状態となれば、11月5日(日)に組まれているクリーブランド・ブラウンズ戦で復帰する可能性もあるとのこと。

チームとしては、マレーが身体面でもメンタル面でもプレーする準備が整ったときに出場させることだけを考えており、復帰をせかしているわけではない。QBコーチのイスラエル・ウールフォークは報道陣に「私たちはただ彼が流れにうまく戻るかだけを心配している」と述べている。

昨年12月12日にACLを断裂し、残る2022年シーズンを欠場したマレーだが、新コーチングスタッフとのミーティングには積極的に参加してきた。早期の復帰はポジティブなものと捉えられてきたが、カーディナルスの1勝6敗という成績と、ジェネラルマネジャー(GM)モンティ・オッセンフォートおよびヘッドコーチ(HC)ジョナサン・ギャノンが今年からそれぞれの役職に就いたことを踏まえると、どのような評価がなされるかは分からない。2024年オフシーズンに向けて、すべての選択肢が検討されていると言うのが正しいだろう。

カーディナルスがドラフト上位指名権を手にした場合、それでクオーターバックを指名してマレーをトレードするかどうかを適切に評価するためには、現在のコーチ陣のシステムにおけるマレーの持ち味を知る必要がある。2022年シーズン開幕前に2億3,050万ドル(約345億4,273万円)の契約延長に合意したマレーには、あと5年約1億8,200万ドル(約272億7,452万円)が残されている状態だ。

マレーが結んだのはサインボーナスがすでに支払われた、非常に魅力的な契約だ。

健康なマレーを、最も良い条件を提示してくれるチームにトレードすることは、ドラフト指名権を集めており、再建の途上にあるように見える組織にとって、少なくとも検討すべきことではあるだろう。とはいえ、マレーが良いパフォーマンスを発揮し、すべての関係者がこれからもマレーがカーディナルスの将来を長期的に担うクオーターバックになることを望めば、オッセンフォートGMの仕事は実質的により簡単なものになる――新しいクオーターバックをドラフトで指名する必要がなくなるからだ。

すべてが明らかになるのはまだまだ先になるだろう。今は単純にマレーを適切な場所でプレーさせることに焦点が置かれている。

【RA】