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シーズン第7週は1勝5敗の4チームが勝利、30チームが2勝以上で第8週に突入

2023年10月26日(木) 13:23


ニューイングランド・ペイトリオッツのラモンドレ・スティーブンソンとバッファロー・ビルズのクリスチャン・ベンフォード【AP Photo/Greg M. Coope】

シーズン第7週の結果はNFLの無秩序な性質を強調するものだった。事態を理解したと思った途端に、思いがけない展開に面食らうといった調子だ。

現地22日(日)には5チームが1勝5敗の状態で試合に臨み、そのうち4チームが勝利をつかんでいる。シカゴ・ベアーズはラスベガス・レイダースを30対12で、ニューヨーク・ジャイアンツはワシントン・コマンダースを14対7で、ニューイングランド・ペイトリオッツは格上のバッファロー・ビルズを29対25で下した。そして、デンバー・ブロンコスは19対17でグリーンベイ・パッカーズを破り、ショーン・ペイトンHC(ヘッドコーチ)の体制下で初となるホームでの勝利をつかんでいる。シアトル・シーホークスに20対10で敗れたアリゾナ・カーディナルスだけが日曜日を終えた時点で1勝のままとなっている(0勝6敗のカロライナ・パンサーズはバイウイークを迎えていた)。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、2013年シーズン第7週を最後に、シーズン第7週以降の時点で1勝以下の4チームが同じ週に勝利したのは初めてのことだという。

当然、1勝だろうが2勝だろうが、良い成績とは到底言えない。しかし、それは厳密には正しくないとも言える。1勝5敗でスタートしたチームがスーパーボウルで勝ったことはないが、そうしたチームのうち3チームは過去にプレーオフに進出しているからだ。

7試合目は、わずかな可能性が残された状態と、歴史的見て可能性がゼロの状態との分かれ道となっている。1990年以降、7試合を終えた時点で2勝5敗となった163チームのうち、ポストシーズンに進出したのは10チーム(6.1%)だ。そして、1勝6敗の85チームのうちプレーオフに進出したチームは1つもない(0%)。

つまり、歴史がわずかでも楽観的な視座を与えるとするならば、解決すべき課題は山積しているものの、1勝5敗の4チームは日曜日の試合に勝利することで、かすかな望みをつないだということだ。

日曜日に1勝5敗のチームが4勝1敗だったのに対し、5勝1敗のチームは2勝3敗だった(カンザスシティ・チーフスとフィラデルフィア・イーグルスが勝利し、デトロイト・ライオンズ、マイアミ・ドルフィンズ、サンフランシスコ・49ersが敗れた)。

その結果、リーグはシーズン中盤に混沌とした状態になっている。

2チーム(チーフスとイーグルス)が6勝。2チーム(パンサーズとカーディナルス)が6敗。そして、なんと30チームが少なくとも2勝を収めている(7試合を通しての結果としては、2002年シーズンの31チームに次いで歴代2位)。シーズン開幕から7試合で複数の勝利と複数の敗北を経験したチーム数(28チーム)は2005年シーズンに次いで過去2番目に多い。

NFL全体の競争バランスは、どの週においても、どのチームが勝っても負けてもおかしくないことを意味している。それはまた、どん底にいると感じられるときでも数週間続けて好調な週があれば新たな光が差し込む可能性があるということでもある。

シーズン第8週に、パンサーズは初勝利を挙げられるだろうか? ブロンコスはついにチーフス戦での16連敗に歯止めをかけられるのか? ジャクソンビル・ジャガーズ対ピッツバーグ・スティーラーズ戦とクリーブランド・ブラウンズ対シーホークス戦、2敗のチーム同士の対決の行方は? ジェッツとジャイアンツ、ニューヨーク対決を制するのはどちらのチームか?

日曜日の結果によって持てる者と持たざる者が明確になることはないだろう。NFLが愛される理由はそこにある。

【RA】