ミネソタ・バイキングスのクオーターバック（QB）カーク・カズンズがアキレス腱を断裂して2023年シーズンの残る試合を欠場することが決まった現地10月29日（日）、チームには厳しい現実が突きつけられただけではなく、ある疑問が生じている――これでカズンズとバイキングスの関係は終わってしまうのだろうか？

おそらく、そうではないだろう。

ジェネラルマネジャー（GM）クウェシ・アドフォ・メンサはカズンズが負傷してから3日後にあたる先週の水曜日に、「カークには今もあらゆる選択肢が用意されている」とコメント。それにはカズンズがケビン・オコンネルHC（ヘッドコーチ）や組織の他のメンバーと共に始めたことをやり遂げるためにミネソタに戻ることも含まれている。

3,000万ドル（約44億8,719万円）を受け取り、今シーズンにチームにとどまることに合意したカズンズは、シーズン終了後にフリーエージェント（FA）になる予定だ。カズンズの契約にはノートレード条項が含まれており、バイキングスはカズンズにフランチャイズタグをつけることもできない。

そのため、カズンズが2023年シーズン終了後にバイキングスを去り、その時点でバイキングスがドラフトでQBを指名するだろうという憶測が、特にQBを必要としているチームから生じていた。

日曜日に行われたアトランタ・ファルコンズ戦で新人のジャレン・ホールを先発させたバイキングスが、2024年ドラフトでクオーターバックを指名する可能性はある。しかし、情報筋の話によれば、その動きはカズンズの復帰とセットで行われる可能性があるとのこと。

カズンズはパサーレーティング（103.8）で3位、パスヤード（2,331ヤード）で2位につけるなど、キャリア最高のシーズンを送っていた。カズンズはワイドレシーバー（WR）ジャスティン・ジェファーソンがハムストリングのケガで故障者リザーブ（IR）に置かれていたにもかかわらず、チームを1勝4敗から4勝4敗に導いている。ジェファーソンは今週に21日間を期限とする練習期間を開始することが可能だ。

特に、オコンネルHCはこれまでカズンズについて率直な意見を述べてきた。

オコンネルHCは先週に「カークは私が彼をどう思っているか知っている」と話し、「それはうまくいけば解決することだろう」とつけ加えている。

フリーエージェント期間が始まるのは3月で、通常であれば身体検査が行われるその時期までにカズンズが完全に回復することはない見込みだ。とはいえ、各チームはカズンズがトレーニングキャンプまでに復帰できそうかを確かめるために、その経過に関する十分な情報を得る必要がある。

カズンズの手術を担当したのは、足と足首の手術を専門としているバイキングスのクリス・クッツェー医師であり、バイキングスには他チームよりも多くの医療情報が与えられている。それが望ましい結果であれば、バイキングスは自信を持って契約を結べるはずだ。また、バイキングスが独占交渉権を持っている場合、それによってフリーエージェンシーの時期に契約が成立しやすくなる可能性もある。

大きな手術を受けたばかりとはいえ、NFL屈指のQBに興味を持つチームがあるのは間違いない。そして、カズンズは当然、フリーエージェントでさまざまなチームを見て回る権利を持っている。

少なくとも、バイキングスへの復帰は実行可能な解決策と考えられるべきだと言えよう。

【RA】