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コルツ戦でQBジョーンズを下げたペイトリオッツHCベリチック、「変化の時を迎えたと思った」

2023年11月13日(月) 11:30

ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【AP Photo/Michael Dwyer】

ドイツのフランクフルトで見せた悲惨なパフォーマンスによって、ニューイングランド・ペイトリオッツには大きな変化がもたらされるかもしれない。

現地12日(日)に10対6で敗れたインディアナポリス・コルツ戦で、キャリア3年目のクオーターバック(QB)マック・ジョーンズが第4クオーターにレッドゾーンでインターセプトを喫したことを受けて、ヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックはジョーンズをベンチに下げた。しかし、ジョーンズが最後まで先発としての役目を全うできなかった今シーズンの他の例とは異なり、ペイトリオッツは勝利に手が届くところまで迫っていた。

試合終了まで残り1分52秒、4点差をつけられている状況下で迎えたペイトリオッツの14ヤードラインからのプレーで、ベイリー・ザップは司令塔を引き継いだ。しかし、ザップはペイトリオッツにとって最後のあがきとなった8回のプレーで、スパイクを装った後にフィールド中央でトリプルカバレッジに投げ込み、勝敗を決定づけるインターセプトを喫するなど、ジョーンズと同じようなひどい結果をもたらしただけだった。

試合後にクオーターバックの交代について質問された際に「変化の時を迎えたと思った」と報道陣に述べたベリチックHCは、バイウイーク明けに挑むシーズン第12週のニューヨーク・ジャイアンツ戦で先発を務める選手について明言を避けた。

ベリチックHCは「いいか、私はその決断を下した。それはそれだ。来週のことは来週に対処する」と簡潔につけ加えている。

ベリチックHC率いるペイトリオッツはジョーンズを今後も先発として起用するかをバイウイーク中に十分な時間をかけて決めるはずだ。しかしながら、日曜日に残された映像がジョーンズの立場を守るのに役立つことはないだろう。

ジョーンズはコルツ戦でパス20回中15回を成功させて170ヤード、インターセプト1回を記録。試合の前半で5回のサックを喫したものの、ハーフタイム後はオフェンシブラインがそれを一度も許さなかった。とはいえ、問題はそこではなかったと言える。ジョーンズはダウンフィールドへの投球をためらっており、それがランニングバック(RB)ラモンドレ・スティーブンソン(88ヤード)やRBエゼキエル・エリオット(54ヤード)が効率的なラン攻撃を展開していたペイトリオッツ攻撃陣の弱点であることは間違いない。試合の後半に、ペイトリオッツの攻撃コーディネーター(OC)ビル・オブライエンが意思決定に関して、サイドラインにいたジョーンズに不満を表明している様子も見られている。

ジョーンズが喫したレッドゾーンでのインターセプト――ワンスコアゲームでタイトエンド(TE)マイク・ゲシッキに向けて投げられたひどいパス――は特に懸念すべき点であり、ジョーンズの交代を決定づける出来事にもなったようだ。

ジョーンズはこの試合で最後に見せたプレーについて「あれはひどい投球だった。練習では通していたのに、うまく投げられなかった。どこに投げるべきか分かっていたのに、うまくできなかった」と振り返っている。

今季3度目となったジョーンズの途中交代は、ペイトリオッツが一度もタッチダウンを決められなかった3回目の試合でのことだった。ロースコアゲームとなったコルツ戦で、ペイトリオッツはレッドゾーンで苦戦を強いられ(4回中0回)、QB陣の不振は当然ながら非難の対象となっている。

ドイツで行われた試合でひどいパフォーマンスを見せたことに、ペイトリオッツのオーナーであるロバート・クラフトは大きく失望している可能性が高い。試合前に『NFL Network(NFLネットワーク)』に出演したクラフトは、2023年シーズンのこれまでの結果に対して遺憾の意を示していた。

現在のペイトリオッツはベリチック時代における最悪の戦績に並ぶ2勝8敗となっている。ベリチックHCはペイトリオッツの指揮官に就任した初年度にあたる2000年シーズンも2勝8敗でシーズンをスタートさせた。将来の殿堂入りが確実視されているベリチックHCは、在籍24シーズン目にして珍しい状況に置かれており、このまま苦しい状態が続けば、さまざまな方法で変化がもたらされる可能性がある。

ベリチックHCはクラフトの発言について「みんながそう感じていると思う」と述べ、「今シーズンはみんなががっかりしていると思う。だが、われわれはこれからも前進し続ける。あと7試合。次のジャイアンツ戦に向けて準備を整える」と続けた。

【RA】