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ジェッツ、ドルフィンズ戦ではQBウィルソンではなくQBボイルを先発に起用

2023年11月21日(火) 09:51

ニューヨーク・ジェッツのティム・ボイル【AP Photo/Adrian Kraus】

シーズン第11週にベンチに下げられたクオーターバック(QB)ザック・ウィルソンは、シーズン第12週もベンチに控えることになった。

現地20日(月)、ニューヨーク・ジェッツが金曜日に行われるマイアミ・ドルフィンズ戦でベテランのバックアップQBティム・ボイルを先発に起用すると『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話をもとに報道。このAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区同士の対決は、史上初めて実施されるブラックフライデー・ゲームであり、『Prime Video(プライム・ビデオ)』にて放送される。

ジェッツのヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは月曜午後にウィルソンをベンチに下げることを正式に認め、ウィルソンはチームのデプスチャートで3番手になると報道陣に明かした。ベテランのトレバー・シーミアンがボイルのバックアップを務める予定だが、ウィルソンも金曜日にアクティブ登録されることになっている。

月曜日、サラーHCはボイルを先発とする決断について「異なるスタイルのクオーターバックである彼にチャンスを与えるだけ。彼がオフェンスと共に何かできるかを見る機会に過ぎない」と報道陣に語った。

ボイルは去る日曜日に敗れたバッファロー・ビルズ戦の第3クオーター終盤にウィルソンと交代し、パス14回中7回を成功させて33ヤード、インターセプト1回を記録。試合には32対6で敗れた。

ウィルソンはパス15回中7回成功で81ヤードをマークし、ランニングバック(RB)ブリース・ホールに9ヤードのタッチダウンパスを通した一方で、9対0で迎えた第2クオーターにはひどいインターセプトも喫している。ビルズはこのインターセプトをタッチダウンにつなげ、リードを16対0に広げた。2023年シーズンの大半でジェッツ攻撃陣がいかに非効率的だったかを考慮すると、その時点でこの点差はビルズが試合に勝つのに十分だったと言えよう。

そうした現実こそが、サラーHCがボイルに目を向けた主な理由だ。ジェッツは今季、ウィルソンと共に歩んでいくことを余儀なくされるとは予想していなかったが、アーロン・ロジャースがシーズン第1週の序盤にアキレス腱を断裂したため、ジェッツは元ドラフト全体2位指名選手のウィルソンに頼らざるを得なくなった。ウィルソンがジャクソンビル・ジャガーズのトレバー・ローレンスに次いで指名されたときに示していたポテンシャルを発揮する瞬間も少しばかりはあったが、ほとんどの場合でその生産性は驚くほど期待外れだった。

パス321回中190回成功、1,944ヤード、タッチダウン6回に対してインターセプト7回というウィルソンの成績は、ジェッツファンが2023年に抱えてきたフラストレーションを反映している。ジェッツ攻撃陣はトータルオフェンス、試合平均パスヤード、試合平均得点でそれぞれ30位に位置しており、試合を通して守備陣にあまりにも多くの責任を負わせている状態だ。

ボイルを先発とし、シーミアンをバックアップに昇格させるという決断を下したにもかかわらず、今もウィルソンを支持する姿勢を見せているサラーHCは、若きQBが司令塔を務めた期間が失敗に終わったと決めつけるのを避けている。

サラーHCは月曜日に報道陣に対して次のようにコメントした。「思い通りに事が運んだか? いや。私はそれを失敗だとは見なしていない。不運な出来事の連続だったと見ている。だが、私はザックがこのリーグで本当に良いキャリアを送ると強く信じている。彼の仕事に対する姿勢はとてつもなく素晴らしい。去年の間にかなり良くなった。腕の才能は間違いなくある。24歳になったばかりだから、前向きな見通しを持っているし、単純に自分のプレーに集中し続け、より良くなる方法を見つけ、フロントやカバレッジ、もう少し速くプレーする方法について学び続ける必要があるだけだ。私は彼が良いキャリアを送ると今も信じている」

しかしながら、10試合にわたって精彩を欠くプレーを見せたことは、サラーHCがようやくウィルソンから手を引き、別の選択肢を選ぶ十分な理由となった。ジェッツファンはそれが実現するまでにあまりにも時間がかかりすぎだと不満を漏らしている。ボイルが何かを改善することが保障されているわけではないものの、少なくともサラーHCはついにQBポジションで狂気じみた行為――同じことを繰り返して異なる結果を期待すること――に及ぶのをやめた。

【RA】