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3回のタッチダウンでチームを勢いづけたパッカーズQBラブ

2023年11月24日(金) 14:25

グリーンベイ・パッカーズのジョーダン・ラブ【AP Photo/David Dermer】

最後に8勝2敗でシーズンをスタートさせた1962年シーズンに、デトロイト・ライオンズは毎年出場しているサンクスギビングゲームでグリーンベイ・パッカーズを破った。

それから61年が経過。今回はそのようにはいかなかった。

現地23日(木)、パッカーズのクオーターバック(QB)ジョーダン・ラブは試合の最初のプレーでワイドレシーバー(WR)クリスチャン・ワトソンに53ヤードのパスを通している。序盤から爆発的な攻撃を展開してリードを奪ったパッカーズは、サンクスギビングデーにライオンズを29対22で下した。

WRジェイデン・リードに10ヤードのタッチダウンパスを通してこのドライブを締めくくり、試合開始から3分足らずで7対0という差をつけたプレーについて、ラブは試合後に「今週に取り入れたことで、うまくいくと思っていたし、自信もあった」と話している。

「フィールドに出て、間違いなくボールをあそこに投げた。クリスチャンはそこに行って素晴らしいキャッチをしてくれた」

ラブは今回の試合でパス32回中22回成功(パス成功率68.8%)、268ヤード、タッチダウン3回、インターセプトなしという素晴らしい成績を収めた。ラブはスーパーボウル時代におけるパッカーズのクオーターバックとして、アーロン・ロジャース(2009年)やブレット・ファーブ(1994年、2007年)と並び、サンクスギビングゲームで3回以上のタッチダウンに対してインターセプト0回という数字を残した選手となった。

この4試合を通して、ラブはタッチダウン8回、インターセプト2回、試合平均276.7パスヤードを記録している。

ライオンズ戦でワトソンがチーム内最多のレシーブ5回、94ヤードを記録するのを後押ししたラブは「俺たちはこれを毎週続けている」とコメント。

「もちろん、完ぺきにはいかないことは分かっているけど、進歩はしている。でも毎週、取り組んで信頼関係を構築している。もちろん、クリスチャンのことは信頼しているし、彼は今、出場してプレーしてくれている。今日の彼のパフォーマンスは素晴らしかった」

初めてパッカーズの先発として迎えた今シーズンに、出だしから苦戦を強いられていたラブだが、この4試合では才能を開花させ、印象的なパフォーマンスを何度も見せている。こうしてロジャースやファーブとともにラブの名前が挙がるようになったことは、長い間、優秀なシグナルコーラーのプレーに恵まれてきたフランチャイズにとって、新たな進歩の兆しとなっている。パッカーズは4連敗を喫して2勝5敗と低迷していたが、ラブのパフォーマンス向上に呼応して現在は5勝6敗となっており、プレーオフ進出を目指せる位置につけている。

シーズン第4週に挑んだライオンズ戦ではインターセプト2回、サック5回を喫していたラブのプレーの変化について、ヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーは「まるで正反対だと思う」と述べた。

「あなたたちがどう感じているかは分からない。振り返って見直す必要があるが、確実に、そうなっているように見える。それはいくつかのコールでもう少しアグレッシブになれるという自信にもつながっている。オフェンシブラインを信頼し、クオーターバックがボールを必要なところに届け、リズムよく投げてくれると信じることができれば、それが可能になる。より深い展開のプレーをたくさんできたし、チャンクプレーを生み出すための中距離のパスも何度も通せた。それは結果的に重要だった」

全米の観衆の前で、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)で上位につけているチームとして試合に臨んだライオンズと対決したときのラブは、格別だったと言えよう。素晴らしいパフォーマンスを発揮していたオフェンシブラインの後ろで、ラブはショットを選び、ショートパスもロングパスも正確に決めていた。

ラフルアーHCは「彼は素晴らしい仕事をしていると思う。1人ではできないだろう。多くの選手が彼のためにプレーしたんだと思う。オフェンシブラインのおかげだと思っている。ただただ彼を守っていた」と語っている。

すべては、ワトソンに通した53ヤードのパスから始まった。ラフルアーHCはこのプレーをラブに伝える前に、本当にこれでいいのかと二の足を踏んでいたようだ。

「もう少しで最初のプレーコールを変えるところだった」と明かしたラフルアーHCは「あのプレーコールについては何度も考えていた。今朝、ジョーダンに連絡して、別のものに変えるつもりだと伝えた。すると、彼はこのコールがいいと言った。だから“じゃあそうしよう”と答えた」と続けている。

ワトソンにパスを通してから4プレー後、ラブはリードにパスをつないで10ヤードのタッチダウンを決めた。それからパッカーズは一度も後戻りしなかった。

「それが、俺たちが望んでいたことだ」とラブは強調している。「俺たちは素早く始めて序盤に得点を重ね、ディフェンスを助けてそこから前進したいと思っている」

この試合で、キャリアで最長の37ランヤードも記録したラブは、タイトエンド(TE)タッカー・クラフトに9ヤードのタッチダウンパスを通して2回目の攻撃ドライブを締めくくった。これはクラフトにとって、キャリア初のタッチダウンとなっている。勢いが出るまでに時間がかかることで有名なパッカーズにとって、そうした始まり方は見事だったと言えよう。木曜日を迎えるにあたり、パッカーズが第1クオーターに獲得した点数は、10試合で合わせて20点のみだった。サンクスギビングゲームの第1クオーターでは、1回の試合で20点を挙げている。

試合ごとに成長し続け、ポストシーズン進出への望みをつなぎたいラブは、現地12月3日(日)のプライムタイムに、キャリア初先発を務めた試合で対峙したカンザスシティ・チーフスと対戦する予定だ。

今のところ、ジョーダン・ラブの成熟は続いている。ラブが3回のタッチダウンを決めたことで、木曜日はパッカーズにとって間違いなく幸せなサンクスギビングデーとなっただろう。

【RA】