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ジェッツ戦での99ヤードのピック6を振り返るドルフィンズSホランド、「予感がした」

2023年11月25日(土) 19:48

マイアミ・ドルフィンズ【NFL】

クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアが60秒間に2度のインターセプトを喫し、マイアミ・ドルフィンズは危機に陥ったかのように思えた。

そこへ、セーフティ(S)ジェヴォン・ホランドが1つの最高のプレーでタゴヴァイロアのミスをかき消してみせた。

前半残り2秒のところでD.J.リードのインターセプトによって状況が一変し、ジェッツの先発QBティム・ボイルはポケット内を移動してからエンドゾーンに向けて渾身(こんしん)のパスを投げた。ゴールライン直前でホランドがそれをキャッチし、そこから逆方向へ左右に切り替えながら疾走を開始。タックルをすり抜け、味方のブロックに守られながら、最後はボイルもかわしてエンドゾーンにたどり着いた。

「彼がボールを放った時に、何だか落ちてくる長いフィールドゴールみたいだなと思ったんだ。あまり知られていないだろうけど、俺はパントリターナーなんだ」と試合後ホランドはアマゾン『Prime Video(プライム・ビデオ)』のケイリー・ハータンに説明した。「キャッチした時、デカいラインマンが見えた。それで、“よし、ここは真っすぐ行こう”って思ったんだ。こいつを振り切ろうってね。サイドラインには連中がいるって分かっていた。ディフェンシブラインマンたちが俺のためにブロックしてくれたんだ。感謝しかないよ。あいつらがいなければ成し遂げられなかった」

「とにかくやるしかなかった。いいとこを見せなくちゃいけなかったんだ。それでゾーンに駆け込んだ。予感がしたんだ。一度カットしてからは行けると思っていたし、やり遂げなきゃならなかった」

公式プレー記録によると、ホランドはこのインターセプトリターンタッチダウンで99ヤードを走ったことになっている。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、前半最後にボイルを振り払い、ギャレット・ウィルソンを尻目にゴールラインを越えて見事なディフェンシブタッチダウンを決めた実際のリターンは124.4ヤードだったということだ。

これはドルフィンズディフェンスのまとまりを示す最新の事例だろう。彼らは2戦続けて相手を13点に抑え、勝利の決め手となるインターセプトを次々と成功させている。

「流れが俺たちに来ているんだと思う。本当にさ」とホランドは言う。「ディフェンスを理解し、流れをつかむには少し時間がかかるけど、今の俺たちは上向きだと思うぜ。みんなめちゃくちゃ興奮している。ワクワクしているし、ビック(ファンジオ)はものすごい守備コーディネーター(DC)だよ。プレーするのが楽しみで仕方ないんだ。毎週毎週、スクリプトが用意されている。それを確実に実行できるようにするんだ。みんなお互いのためにプレーしたいと思っている。お互いを誇らしくさせたいんだ。それが大きな違いじゃないかな。みんな信頼し合っていて、上昇気流に乗っている」

ドルフィンズが上昇する一方、ジェッツは引き続き沼にはまりこんでいる。つかの間の希望を取り戻したところから60秒のうちに、ジェッツは一体何が2023年のフットボールの神様を怒らせてしまったのだろうかと思い悩む状況に突き落とされてしまった。ヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーはハーフタイムのインタビューでプロとしての表情を保とうと努力していたが、落胆は隠しきれず、ポジティブな調子で質問に答えながらも、その姿はまるでみぞおちを強打されたかのようなありさまだった。

ジェッツは帆に受ける風を失ってしまっている。対するドルフィンズはホランドの大活躍もあって、勝者に輝いた。

「信じられなかった。前半の最後にあんなことが起きるのは見たことがない」とタゴヴァイロアも記者団に言っている。「普通は倒されるか、行っても半分までだろう。途中のどこかまでリターンして、タックルされるのが常だ。でもジェヴォンはやってのけた。あれは間違いなくゲームを変えたよ。得点して、俺たちがボールを持ってハーフタイムに入れるっていうのもすごく良かった」

ケガの程度はまだ分からないが、ドルフィンズは試合中にラインバッカー(LB)のジェイラン・フィリップスをアキレス腱(けん)で失っている。それだけに、ホランドとドルフィンズにはプッシュを続ける理由が多くあるようだ。

「あいつは俺たちにとってすごく大事なんだ。分かるだろ? 俺たちはお互いに一人一人を大事に思っている」とホランドは説明した。「みんながパズルのピースだから、チームみんなが彼の周りに集まるだろう。そうして彼を励ますんだ。孤立させずに、彼が愛され、みんなが復帰を待っていることをきちんと伝えたい。試合をする時は彼のためにプレーする。今まで以上にやってやるって気持ちが高まっているよ」

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