ベンガルズ戦で400ヤード超えを達成したことを冷静に受け止めるスティーラーズHCトムリン
2023年11月27日(月) 11:07攻撃コーディネーター(OC)を解雇してから5日後、ピッツバーグ・スティーラーズの攻撃陣は400ヤード超えを達成。スティーラーズはこれまでの58試合でそれを成し遂げることができていなかった。
タッチダウンは1回だけだったものの、スティーラーズが現地26日(日)に地区ライバルのシンシナティ・ベンガルズに16対10で勝利するにはそれで十分だった。
ヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは試合後の記者会見でオフェンスについて「大手を振って“やってやったぞ”というふうに振る舞っているつもりはない。今日は勝つために必要なことをやった。これからも突き進んでいく」と語っている。
攻撃コーディネーターを務めていたマット・カナダが先週の火曜日に解雇されたことを受け、スティーラーズ攻撃陣はベンガルズ戦の序盤から、以前と大きく異なっているように見えた。最大の収穫は、スティーラーズがトータルで421ヤードを稼ぎ出し、58試合連続で400ヤード超えを達成できていなかったという状況に終止符を打ったことだろう。
クオーターバック(QB)ケニー・ピケットは「間違いなく前とは違う」とコメント。
「プレーコーラーが新しくなったから、彼の好きなコールの流れには少しずつ慣れていくものだろうし、それはこれからも調整し続けていく部分だ。でも、どのドライブでも生産的なドライブができていたし、ボールもよく動かせていた。いくつかのペナルティやターンオーバーは・・・なくしたいね。そうしたらもっと点を入れられるようになるはず。だけど全体的には、みんなのプレーに満足している」
スティーラーズのオフェンスは芸術的とは言い難いものだったが、ハードワークが実を結び、進歩が見られるものだったと言えよう。スティーラーズはシーズン第11週に敗れたクリーブランド・ブラウンズ戦でトータル249ヤードしか稼げていなかったが、ベンガルズ戦ではハーフタイムの時点で221ヤードを記録していた。
ピケットはこの試合でパス33回中24回を成功させて278ヤードをマーク。ピケットが275ヤード以上を獲得したのは今季初であり、4試合連続で160ヤード以下を記録していた流れを止めた。
ピケットのパフォーマンスに満足しているかと質問されたトムリンHCは「私たちは勝つために必要なことをやった。私やケニーのような人間は、勝ち負けで判断される。私たちはそこから逃げない。そこに向かって走っているのだ。だから彼と私は今日、勝者となった」と答えている。
ランニングバック(RB)ナージー・ハリスは15回のキャリーで今季最多の99ヤード(アテンプト平均6.6ヤード)をマークし、第3クオーターに5ヤードのタッチダウンを記録。これはこの試合でチームが決めた唯一のタッチダウンだった。
ベンガルズ戦を迎えるにあたり、スティーラーズはプレー平均ヤード(4.7ヤード)、試合平均トータルヤード(280.1ヤード)、試合平均ファーストダウン獲得数(15.9回)、ポゼッション時間(27分37秒)で、NFLの下から5位以内につけていた。
ピケットは「いつも言っているように、これは究極のチーム戦だ。特に攻撃面では全員が必要になる」と強調し、次のように続けている。
「11人全員が一丸となって取り組む。成功するために11人全員が同じ方向を見る。俺自身も、ロッカールームのみんなも、“W”(勝利)と共にここを去ることができて本当にうれしいと思っている。今週末はハインツに戻る。ホームに戻るのは最高だ。ポジティブなことがたくさんある」
ベンガルズ戦で、スティーラーズは前述したいずれの指標においても大幅な改善を見せており、プレー平均6.2ヤード、トータル421ヤード、ファーストダウン獲得22回、今季最長のポゼッション時間となる37分17秒を記録した。
7勝4敗のスティーラーズはオフェンス面の成績がひどいにもかかわらず、何とか成り立っている状態だ。日曜日に得点を重ねることはなかったものの、新たにOCの役割を担っているRBコーチのエディ・フォークナーおよびQBコーチのマイク・サリバンと共に、スティーラーズは出だしから全力を尽くしている。
これが1試合限りのことなのかはまだ分からないが、スティーラーズの新たなオフェンスと、チームがプレーオフに進出する可能性は、前途洋々だ。スティーラーズは次の4試合でアリゾナ・カーディナルス、ニューイングランド・ペイトリオッツ、インディアナポリス・コルツ、ベンガルズと対戦する。これらのチームのうち3チームは現在、勝率.500以下だ。
日曜日に披露されたオフェンスは美しいものではなかったが、スティーラーズの前途は先週の今頃よりはるかに明るい。
【RA】