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1勝10敗のパンサーズが就任1年目のフランク・ライクHCを解雇

2023年11月28日(火) 10:33

カロライナ・パンサーズのフランク・ライクHC【AP Photo/Nell Redmond】

フランク・ライクのカロライナ・パンサーズでの在任期間は11試合で終わった。

2023年シーズンが開幕してから1勝10敗という成績を残していることを受け、パンサーズが現地27日(月)にヘッドコーチ(HC)を務めていたライクを解雇したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが状況を知る人物の話をもとに報じている。

ラポポートによれば、スペシャルチームコーディネーターのクリス・タボーが暫定ヘッドコーチに就任するとのこと。

その後、今回の動きを認めたクラブは、シニアアシスタントのジム・コールドウェルが、プレーコールを再び担当する予定の攻撃コーディネーター(OC)トーマス・ブラウンの特別アドバイザーになると発表した。

オーナーのデビッド・テッパーは月曜日に発表した声明で次のように述べている。

「今朝、ライクコーチと会い、あなたがカロライナ・パンサーズのヘッドコーチを続けることはないと伝えた。フランクの献身と尽力に感謝したい。そして、私たちは彼の幸運を祈っている。ただちに、スペシャルチームコーディネーターのクリス・タボーが暫定ヘッドコーチとなる。シニアアシスタントのジム・コールドウェルは、プレーコールの仕事を引き継ぐ攻撃コーディネーター、トーマス・ブラウンの特別アドバイザーとなる」

その後、ペリセロはパンサーズがクオーターバック(QB)コーチのジョシュ・マカウンとアシスタントヘッドコーチ兼ランニングバック(RB)コーチのデュース・ステイリーも解雇したと報道。ペリセロによれば、マカウンおよびステイリーと離別するという決断は、タボーおよびコールドウェルによって下されたという。

月曜日、ライクは『The Charlotte Observer(ザ・シャーロット・オブザーバー)』のインタービューに対して「このまま続けて、好転させられるよう試みるために、必要な成績を残せなかったことに、胸が張り裂けそうなほどの失望感を覚えている。選手たち、チーム、コーチ陣、そしてファンのことを思うと心が痛い」と話していた。

パンサーズがほとんど成長の兆しを見せなかった中で、ライクにとってカロライナでの最初のシーズンは荒れたものとなっていた。日曜日に17対10で敗れたテネシー・タイタンズ戦で、試合中の運営ミスの問題が散見されたことを受けて、今回の結論に至ったようだ。

その問題はテッパーがわずか11試合でライクを解雇するのに十分な理由となっている。

インタビューで「テッパー氏に対しては、ポジティブな思いしか抱いていないとお伝えしたい」と述べたライクは「個人的なレベルで言うと、彼のある一面を私は深く尊敬し、大切に思っている。しかし、NFLは実力主義だ。無条件の愛ではない。プロフェッショナルとしての立場から、テッパー氏に満たすことを期待している一定の基準があることは理解している。恨みは抱いておらず、実際に、彼との個人的な関係は、この短い期間で本当に特筆すべきものだった」と続けた。

ライクはこれがおそらく自分にとってNFLでの“最終章”になるだろうとつけ加えている。

ライクが率いたオフェンスは、貧弱なブロッキング、無きに等しいランゲーム、プレーメーカーに欠けるレシーバー陣に悩まされ、低迷していた。何よりも痛手となったのは、ドラフト全体1位で指名したQBブライス・ヤングの苦戦だ。敗れた試合で悪い癖を見せてきたヤングが、プレーメイキング能力を発揮したことはほとんどない。ライクがプレーコールをブラウンに任せた後に再びその責任を引き受けたことは、一貫性のないオフェンスを改善することにはつながらなかった。

パンサーズは試合平均得点(15.7点、29位)、試合平均トータルヤード(265.9ヤード、30位)で、下から4位以内につけている。ライクの指揮下でパンサーズは試合平均92.6ランヤード(29位)、タッチダウンラン3回(最下位タイ)を記録した。

パンサーズの2023年シーズンにおける得点差はマイナス119と、NFLで31位となっている。また、15点以下で終えた試合は7試合(NFLで2番目に多い)だ。

現時点で全体1位指名権となっている2024年ドラフト1巡目指名権を手放すことを含め、パンサーズがヤングに行った投資を考慮すると、新人シグナルコーラーの進歩を見ることは最後の6試合で極めて重要になる。オーナーは明らかに、ライクが指揮を執る中でそれが実現するとは考えていなかった。今回の動きを受けて、シーズン終盤にかけて物語を変える責任はブラウンとコールドウェルにかかっている。

2022年シーズン第9週を終えた後にインディアナポリス・コルツから解雇されたライクは、チップ・ケリー(フィラデルフィア・イーグルスとサンフランシスコ・49ers)やレイ・ローズ(イーグルスとグリーンベイ・パッカーズ)とともに、2年連続で解雇されたNFL史上3人目のヘッドコーチとなった。

【RA】