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「打たれ強い」ブロンコスのシーズン半ばの好転を「疑ったことはない」QBウィルソン

2023年11月28日(火) 13:55


デンバー・ブロンコスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/Jack Dempsey】

デンバー・ブロンコスが勢いを増している。まるで映画『Old School』のように、予想外で、自由奔放に校庭を駆け抜け、体育館へと向かうような勢いだ。

現地26日(日)、ヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンが率いるブロンコスは、クリーブランド・ブラウンズを29対12で破ったことで5連勝を飾り、1勝5敗のシーズンスタートから6勝5敗の成績に転じて、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のプレーオフ出場権争いに食い込んでいる。

この5連勝は、決して格下相手へのものではない。5勝のうち4勝は現在プレーオフ圏内にいるチーム(カンザスシティ・チーフス、バッファロー・ビルズ、ミネソタ・バイキングス、クリーブランド・ブラウンズ)に対するもので、もう1勝は再びプレーオフ争いに加わる可能性のあるグリーンベイ・パッカーズに対するものだった。

確かに、ブロンコスはここ2週間、バックアップのクオーターバック(QB)と対戦した恩恵を受けているものの、リーグ全体のクオーターバックのケガを考えれば、それはほとんどのチームに言えることだろう。

マイアミ・ドルフィンズに対して70対20で大敗を喫するなどして、0勝3敗でスタートしたブロンコスの巻き返しは目覚ましい。

チームの公式発表によると、ブロンコスのQBラッセル・ウィルソンは日曜日に「疑ったことはない。自分たちのフットボールチームも、自分たちがどこへ行けるかも疑ったことはない」とコメントし、次のように続けたという。

「一番大事なのは、シーズン序盤に接戦を落としたり、厳しい試合もあったりしたけれど、そのおかげでこれは長い旅だということを理解し、準備できたということだ。オレたちの前にはまだまだたくさんのフットボールの試合が待っている。この先も素晴らしいチームがたくさん待ち構えている。自分たちのことに集中しなければならない。ブロンコスカントリーとしてオレたち選手や組織全体、そして何よりもロッカールーム内で感じているのは、互いへの揺るぎない信頼だ。この揺るぎない信頼は、コーチ陣に対するものであり、それと同時に自分たちが何者でどこへ向かっているのか、そして勝利ためには何が必要なのか、理解するために必要なものだ。オレたちは勝利に必要なものを学び始めているんだと思う。それはこのチームにとっていいことだし、必要なことだ。この道を歩み続けなければならない」

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ウィルソンは1970年のAFLとNFLの合併以降、5試合連続で勝利し、各試合でパサーレーティング90以上を記録したブロンコスのQBとして、ペイトン・マニング(2012年、2013年)に次いで史上2人目となった。

ブロンコスのオフェンスは、ウィルソンがブロンコスに移籍した当初は見られなかった魔法のようなプレーを見せていることもあり、最近はボールをよく動かすようになったが、本当に事態を好転させたのはディフェンスだ。

ブロンコスの守備コーディネーター(DC)バンス・ジョセフ率いるディフェンスは、最初の5試合(シーズン第1週から第5週)でNFL最下位となる1試合平均36.2点を許していたが、その後の6試合では平均失点が20点より少ない。このままいけば、シーズン最初の5試合とそれ以降の平均失点でNFL史上最大の改善となる(平均失点19.7点の差)と『NFL Research』が報じている。

ドルフィンズに対する50点差の敗戦を除けば、ブロンコスはシーズン第12週までで−34の得点差を+16にひっくり返しており、これは他のプレーオフ争いをしているチームと引けをとらない状況だ。

「第一に、オレたちは打たれ強い」と語るウィルソンは、次のように続けている。

「オレたちの一番いいところは、これまでの試合すべてで打たれ強さを発揮してきたことだ。本当に素晴らしいチームと戦ってきた。トップクラスのチームだ。特にAFCでは、カンザスシティはもちろん、アウェーのバッファロー戦もタフな環境だった。クリーブランドはこの1年ずっと素晴らしい。ディフェンスも何もかも素晴らしい。でも、オレたちの一番いいところは、自分たち自身だと思う。オレたちが一丸となっていることだ」

「オレたちのディフェンスは圧巻だ。世界最高のディフェンスの1つだ。彼らは信じられないほどの活躍を見せているよ。バンス・ジョセフは守備選手たちを毎週しっかり調整した上で、厳しいチャレンジをものにしていて、素晴らしい仕事をしている。このゲーム、あるいはプロスポーツ全般に言えることだけど、常に逆境があり、その逆境にどう対処するかが、チームとして、選手として、自分がどういう人間であるかを如実に示すと思う。オレたちはうまく逆境に対処してきた。現実は、まだこれからもっと多くのプレーが待っているということだ。謙虚でありつつハングリー精神を持ち続けなければならない。まだやるべきことはたくさんある。オレたちはまだ始まったばかりだと感じている。自分たちがすべきことは、その道を進み続けること。中立を保ち、1つ1つの試合に集中する必要があることを理解しなければならない。それは1週間ずつ、1回の練習ごとでも同じだ」

AFCで6勝を挙げているチームがひしめく中、ブロンコスはありえないような大逆転劇を成し遂げるために勝利を積み重ねていかなければならない。1カ月前の状況を考えれば、ブロンコスはまるで驚異的なUターンをしているようだ。

【KO】