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“今シーズンを終えてから”スミスHCの今後を決めるとファルコンズオーナー

2023年12月21日(木) 11:57


アーサー・スミス【AP Photo/Danny Karnik】

アーサー・スミスHC(ヘッドコーチ)率いるアトランタ・ファルコンズは現地17日(日)に行われた試合で、わずか204ヤードしか稼げずに、それまで1勝しか挙げていなかったカロライナ・パンサーズに9対7で敗れるという失態を演じた。この敗北でファルコンズはポストシーズン進出の可能性を大きく損ない、3試合を残して6勝8敗となっている。

火曜日、スミスHCはクオーターバック(QB)ポジションにまたしても変化をもたらし、デズモンド・リッダーを再びベンチに下げてタイラー・ハイニケを先発に起用した。クオーターバックポジションに何度も変更を加えることは、自分の職を守るためにあらゆる答えを探し求めようとするコーチの動きだと言えよう。

アトランタに失望感が漂っているにもかかわらず、オーナーのアーサー・ブランクが反射的な反応をすることはないはずだ。ブランクはジョージア州公共放送のジェフ・ハリンガーに対し、スミスHCの将来についてはすべて、残りの3試合を終えた後に判断すると述べている。

ブランクはハリンガーに「私たちはスミスコーチにコミットしている。私たちはこの最後の3試合を戦う。勝つことに専念してね。シーズンを戦い抜いてから考えるつもりだ。もちろん、今年は期待通りのものにはならなかった。スミスコーチも、ファンも選手たちもそう言うはずだ。それは分かっている。そういう課題があることは理解している。今年の最後に、自分たちの現状を把握して、そこから前に進むことになる」と語った。

ファルコンズはスミスHCが就任してからの2シーズンでいずれも7勝10敗だった。インディアナポリス・コルツ戦をはじめとし、シカゴ・ベアーズ戦、ニューオーリンズ・セインツ戦を控えている中で、スミスHCには2023年シーズンにまたしても負け越してしまう可能性がある。

オフシーズン、ファルコンズはプレーオフに進出する可能性があると信じているチームのように振る舞っていた。フリーエージェント(FA)ではディフェンスに多額の投資をし、ドラフトでは全体8位でランニングバック(RB)ビジャン・ロビンソンを指名。スーパーボウルリングの獲得を目指しているディフェンシブエンド(DE)カライス・キャンベルのようなベテラン選手にアトランタに来るよう説得したのは、ファルコンズが自分たちをコンテンダーとして売り込んでいたことを強調している。

オフシーズンでの期待値がフィールドでの結果にそぐわない場合、NFLでは通常、すぐに変化が訪れるものだ。しかし、ブランクはスミスHCにプレーオフ進出を義務付けたことは一度もないとつけ加えている。

「いや、それが必須条件になったことはない」と明かしたブランクは「条件となっていたのは、今年により競争力のあるチームをつくること。正直なところ、今シーズン、この部分に関しては複雑な状態だと思っている。コーチもそう言うだろう。アーサーはとても正直で、とても・・・自分自身を批判的に見る人だ。つまり、彼は素晴らしい価値観を持った立派な家族のもとに生まれ、その価値観をできる限りリーダーシップに反映させている。だから、シーズンの成り行きを見てから考えていくつもりだ」と続けた。

スミスHCの在任中、誰が司令塔を務めようとクオーターバックのプレーに一貫性がなかったことから、そのオフェンスが軌道に乗ることはなかった。また、日曜日の試合でキャリー7回、11ヤードという記録にとどまったロビンソンの今季の起用法に、ファンはフラストレーションを募らせている。

ハリンガーはブランクに、パブリックなビジネスとして、ファンを喜ばせる必要があるのかと質問している。

それに対して「ファンを喜ばせることも大事だが、自分たちが編成できるベストなロースターを代表するような結果をフィールドで出さなければならない」と答えたブランクは、次のように続けた。

「私の場合は、最高の人材に意思決定してもらうことだ。選手を選ばなければならない立場には絶対になりたくない。そんなことはしたことがない。それをどうすればいいのかは分からない。その点では私はファンと同じで、ジェフやアトランタの人たちと同じように意見を持っている。適切な人材を確保することだ。私は、彼らがあらゆるリソースを持ち、フィールドで勝つために下すべき決断を下していることを確かめる。それが彼らの仕事だ」

それはスミスHCがアトランタでの3シーズンで十分に成し遂げられなかった仕事だ。スミスHCはあと3試合で、4年目のチャンスを手に入れるべき理由を示さなければならない。

【RA】