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「先週と同じようだった」と逆転勝利ドライブを振り返るシーホークスQBスミス

2023年12月26日(火) 11:18


シアトル・シーホークスのジーノ・スミス【AP Photo/George Walker IV】

シアトル・シーホークスはシーズン第15週のフィラデルフィア・イーグルス戦に続き、現地24日(日)に対戦したテネシー・タイタンズとの試合も同じような戦い方で挑んだ――ただし、今回は主役が違った。

2週間ぶりにシーホークスの先発に復帰したクオーターバック(QB)ジーノ・スミスは、タイタンズのディフェンスに手こずったものの、大事な場面で奮起し、試合時間残り3分余りで14プレー75ヤードのドライブを導いて、20対17で逆転勝利を収めている。

チームの公式サイトによると、シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは勝利後、スミスについて「本当に良い状態にある。彼はきっとうまくいくし必ず成し遂げられると強く信じていて、仲間も彼のために力を尽くしてくれる。その信念が他の選手にも伝わり、彼らも自分たちの役割を果たし、良い結果につながる。彼のメンタリティはとても強く、一貫しているからこそ、チームに多大な影響を与えているんだ」とコメントしたという。

スミスはこの厳しい試合全体のプレーを通して最近の股関節のケガから完全に回復したように見えたが、本当の意味で調子を上げたのは第4クオーターに入ってからだった。

スミスは最初の5回のドライブでパス21回中13回成功させて104ヤードを稼いだものの、オフェンスがエンドゾーンまで10ヤード以内で停滞したため、3回のパントと2回のフィールドゴールに終わっている。

しかし、10対6と劣勢に立たされ、相手エンドゾーンまで長いフィールドに立った最終局面を迎えようとしたとき、スミスはスイッチを入れた。この日6回目のポゼッションで、シーズン第15週のイーグルス戦で活躍した1人である新人ワイドレシーバー(WR)ジャクソン・スミス・インジグバに20ヤードのパスを成功させ、さらにタイラー・ロケットに21ヤードのパスを通して第3クオーターを締めくくる。

その後、数回の短いハンドオフと、D.K.メットカーフへの2回のパスコンプリートで――そのうち2回目はボールを一度ジャグリングしてから、つま先をしっかりと地面につける美しい集中力を見せたキャッチだった――シーホークスはエンドゾーンに到達し、96ヤードの長いドライブを成功させて、初めてリードを奪った。

タイタンズはデリック・ヘンリーのタッチダウンランで締めくくられた8分49秒の時間を使うドライブで反撃し、先のタッチダウンパスと同じく、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の最後の2つのワイルドカードスポットが懸かるプレーオフ争いで、再びシーホークスを余裕のない試合に追い込んでいく。

試合残り3分21秒、スミスは再びフィールドに立って数回のランプレーを挟みながら、ほとんどスミス・インジグバとロケットだけにパスをつないで、敵陣5ヤードラインまで前進。そこで、4点差のサードアンドゴールの状況下、スミスはタイトエンド(TE)コルビー・パーキンソンを見つけてまたも得点をあげた。

先週と同じように、ディフェンスがタイタンズの土壇場のドライブを封じ、勝利を決定づけている。また、ドリュー・ロックがフィラデルフィアに対する逆転勝利に貢献し、それまでの116ヤードに92ヤードを追加した先週のように、スミスはシーホークスに切実に必要としていたときに、平凡な1日を見事な1日に変えたのだ。

33歳のスミスは最後の2つのドライブでパス12回中15回成功、123ヤード、タッチダウン2回、パサーレイティング140.4をマークして、この日の獲得ヤード数を倍以上に伸ばして、シーホークスに2週連続の逆転勝利をもたらした――20対17という最終スコアまで同じだ。

スミスは最後のポゼッションに臨む心境を語り、次のように話している。

「先週と同じようだった。先週はドリューが素晴らしい仕事をしたと思うし、今週それに匹敵するチャンスがあった。フィールドに出るとき、4回のダウンがあるという状況以外のことは何も考えていない。タイムアウトは2つか3つ残っていたと思う。だから、たっぷり3分ほど時間があった。この状況で、どうすればエンドゾーンに入れるかを考えていた。(攻撃コーディネーターの)シェーン(・ウォルドロン)はよくやってくれたと思う。プロテクションはよく耐えたと思う。もちろん、レシーバー陣はオープンになるために素晴らしい仕事をしてくれたし、コルビーはあそこで試合を決める素晴らしいキャッチをした」

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、タイタンズ戦での活躍は、スミスにとって2023年4度目の逆転勝利ドライブとなり、リーグ最多タイ記録となったという。

スミスのガッツあふれるプレー、そして彼のチームが頻繁にそれを必要としている事実は、残り2試合となったシーホークス全体を象徴している。

シーホークスは不完全ではあるが打たれ強いチームであり、2連敗の可能性を土壇場で勝利に変えた。シーホークスがシーズン第15週を迎えるにあたって4連敗中だったことを考えれば、もっと実力の劣るチームなら、これらの試合で折れていたかもしれない。

それどころか、シーホークスは現在8勝7敗で、『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、69%の確率でポストシーズンに進出する可能性がある第7シードの位置につけているとのこと。

「エキサイティングな勝利だった」とコメントしたキャロルHCは、こうつけ加えている。「このロッカールームの信念は強く、私たちはどんなことにも立ち向かう準備ができている。私たちは知恵を出し合い、どんなに時間がかかっても実行し、機能する。それはとても力強い特徴だ」

【KO】