フィラデルフィア・イーグルスでは雲行きが怪しくなっており、現地12月31日（日）に崩壊したホームでのアリゾナ・カーディナルス戦を含め、過去5試合で4敗を喫している。

これらの敗戦でNFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）第1シードの可能性はなくなり、NFC東地区優勝の主導権はダラス・カウボーイズに明け渡された。イーグルスは、1月7日（日）に控えるシーズン第18週の試合でニューヨーク・ジャイアンツを破り、ワシントン・コマンダースの助けを借りない限り、スーパーボウルへ戻るにはアウェー3連戦を強いられる可能性がある。

こうした苦戦の中、イーグルスのワイドレシーバー（WR）A.J.ブラウンの成績は低迷している。シーズン第3週から第8週までNFL記録となる6試合連続125レシービングヤード超えを達成した後、第9週以降で100ヤード以上のレシービングヤードを記録したのは1試合のみ。ブラウンは下降線をたどるプレーに不満が募り、ここ数週間は報道陣との会話を避けているが、水曜日にはコメントとソーシャルメディア上で明かしている。

イーグルスのヘッドコーチ（HC）ニック・シリアニは今週、ここ数週間のチームのプレーに「全員がフラストレーションを感じている」とコメント。イーグルスは自力で道を切り開くことができていない状況だ。

カーディナルスに敗れた試合では、ブラウンはレシーブ4回で53ヤードを記録し、そのうち後半の数字はレシーブ1回で18ヤードにとどまっている。イーグルスの攻撃コーディネーター（OC）ブライアン・ジョンソンはブラウンの出番の少なさの一因として、後半のイーグルスがカーディナルスに時間を支配されてプレーが少なかったことをあげた一方で、時にはプレーメーカーにボールを渡す必要があることも認めた。

チームの公式記録によれば、ジョンソンOCは火曜日に「A.J.は素晴らしい選手だ。時には無理やりでもボールを彼に渡して、確実に活躍させなければならない」と述べているという。

敗戦後、ブラウンが目に見えてフラストレーションを募らせていることから、イーグルス周辺ではスター・ワイドアウトの不満が取り沙汰され始めていた。しかし、オフェンシブラインマン（OL）ジョーダン・メイラタは、ブラウンが悪いリーダーだという考えを否定し、チームの団結を高めるためにブラウンがチームの脱出ゲームイベントを主催したことを指摘した。

マイラタは火曜日に『WIP』ラジオで「A.J.は素晴らしい、最高だよ。試合の数日前には・・・ほとんどの選手が参加したチームの脱出ゲームイベントがあって、団結を高めたんだ」と語り、こうつけ加えている。

「彼は舞台裏でもすごい仕事をしている。それがA.J.だ。チームが予約の手続きを手伝ってくれた。A.J.がリーダーでないなんて・・・あんたらは俺たちのようには、彼を知らないのさ。彼は偉大なリーダーだぜ」

リーダーとして、イーグルスが苦闘している間、ほとんどを傍観者として過ごしたことは、ブラウンをいらだたせるに違いない。カーディナルス戦の重要なドライブではペナルティの後、イーグルスのプレーコールは第1ダウン残り20ヤードでQBラン、第2ダウン残り16ヤードでQBラン、第3ダウン残り19ヤードでランニングバックスクリーン。イーグルスはフィールドゴールを確実に決めるために保守的になったが、結果的にカーディナルスには勝負を決めるタッチダウンのためのドライブ時間がたっぷりあったため、それが仇となった。

ジョンソンOCはブラウンをオフェンスにもっと参加させることが、レギュラーシーズン最終戦である日曜日のジャイアンツ戦とポストシーズンへの鍵であることに言及している。

ジョンソンOCは次のようにコメントした。

「A.J.は最高の選手だ。彼は守備側に多くの注意を要求する。彼はここまで素晴らしいシーズンを送っている。まだキャリア最高の年というにふさわしい勢いにあると思う。A.J.は明らかにこの建物にいる誰もが信頼し、尊敬している選手で、私たちは彼にボールを渡すために素晴らしい仕事をしなければならない。私は彼にボールを渡すために素晴らしい仕事をしなければならない」

ブラウンは今シーズンに1,447レシーブヤードをマークしてNFLで3位につけており、タイリーク・ヒルとシーディー・ラムに次ぐ位置にいる。自身が昨季マークしたイーグルスのシーズン記録を更新するには、シーズン第18週の試合であと50レシーブヤードが必要だ。

【KO】